建築からプロダクトまで‟木”のよさを再発見!「ウッドデザイン賞 2019」が今年もスタート

  • 文:和田達彦

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「ウッドデザイン賞 2018」ライフスタイルデザイン部門奨励賞受賞作品の「MOKULOCK・KODOMO シリーズ/OTONAシリーズ」。山形県のニューテックシンセイ社が製作したこの木製ブロックは、山形県産無垢材にこだわり、木製品のぬくもりを大切にしています。

木のよさや価値を再発見できる製品や取組みを国内外に発信する「ウッドデザイン賞」。2015年から毎年実施されていますが、5回目となる今年も応募作品の募集がスタートしました。

日本では、戦後に造成された人工林がいよいよ本格的な利用期を迎えていますが、こうした森林は放置すると、土砂災害の原因になる危険があります。そのため、適切に伐採するなど整備を行い、木材として積極的に利用していくことが重要になります。そこでより多くの人にもっと木の価値を知ってもらおうという意図で設立されたのが、この「ウッドデザイン賞」というわけです。

応募対象となるのは、木製品はもちろん、建築や空間、建材や部材、人材育成やプロモーション、技術研究など、木に関するさまざまなモノ・コト。一次審査、二次審査を通過した作品にウッドデザイン賞が与えられます。さらにその中から部門ごとに優秀賞と奨励賞が数点ずつ選出され、全作品から1点が最優秀賞に選ばれます。各部門は“木を使って暮らしの質を高めているもの”が対象となる「ライフスタイルデザイン部門」、“木を使って人の心を豊かにし、身体を健やかにしているもの”が対象となる「ハートフルデザイン部門」、“木を使って地域や社会を活性化しているもの”が対象となる「ソーシャルデザイン部門」の3つ。またこの他に、日本の木の文化を活かした施設、空間や木製品、活動などを観光や体験、飲食や物販など‟おもてなし”の取り組みにつなげている作品を表彰する「木のおもてなし賞」もあります。

ウッドデザイン受賞作品にはウッドデザインマークの使用が認められる他、19年12月に開催される「エコプロ2019」での表彰および展示をはじめ、さまざまな場でのPRが行われます。応募受付は19年7月31日まで。企業に限らず、個人や団体での応募も可能です。木材ならではの特性を活かした製品やサービス、技術をアピールできる絶好の機会ですので、ぜひ応募してみてください。

18年の最優秀賞を獲得したのは、東京にある小中一貫制の公立校「江東区立有明西学園」。竹中工務店と久米設計、江東区がタッグを組んで手がけたこのプロジェクトでは、校舎の構造体にカラマツの耐火集成材、内装に多様な木材を適材適所で使用。江戸初期からの「木場」の文化を継承・発信するシンボル的な施設となっています。

18年のハートフルデザイン部門奨励賞を受賞した、ぷろぺら社(東京)の「wood butterfly」。蝶番(ちょうつがい)がない世界初の木製バインダーで、バインダー自体が蝶番の役目をしています。木の手触りを楽しめ、使ううちに味わいが出るようにあえて無垢のまま仕上げられています。

清水建設が手がけた「浦和明の星女子中学・高等学校 カフェテリア棟」は、18年のライフスタイルデザイン部門優秀賞を受賞。「みんなのイエ」をコンセプトに、やわらかく暖かみのある内部空間を木質のアーチ架構によって実現しています。

ウッドデザイン賞
www.wooddesign.jp

※ウェブサイトからの応募のみ受付。当日送信有効。