旧朝香宮邸が重要文化財に! 東京都庭園美術館で、建築とアール・デコを満喫する展覧会が始まりました。

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    7月8日、東京都庭園美術館として公開されている旧朝香宮邸が、重要文化財に指定されました。それを機に、7月18日から『アール・デコの邸宅美術館』展がスタートしています。本展は旧朝香宮邸の建築全体を鑑賞する『建築をみる2015』展と、コレクターによって蒐集されたアール・デコの名品が並ぶ『アール・デコ・コレクターズ』展の2本で構成され、建築からアート作品まで、“アール・デコ”を満喫できる内容でもあります。

    旧朝香宮邸は、1933年に朝香宮家の本邸として竣工。戦後には外相公邸や迎賓館としても使用され、1983年に美術館として公開されました。主な部屋の内装設計にフランスの装飾美術家アンリ・ラパンを起用、全体設計を宮内省内匠寮が手がけるという日仏の美しく丁寧な仕事の結晶です。今回の展覧会ではかつての邸宅の空間を再現するべく、オリジナル家具や調度品を展示していますが、特に大広間に展示された1920年頃のピエール・シャローの肘掛椅子は、オリジナルのファブリックを使用した貴重なものなのだとか。

    また、シンボル的な存在である「香水塔」も先ごろ修復され、美しい姿を取り戻しています。館内には修復の様子を辿った映像コーナーもあるので、そちらを見れば香水塔がどのような構造をしているのかもわかります。3Dプリンターで出力されたミニチュア版もありますのでぜひそちらもご覧ください。

    旧朝香宮邸を堪能したら、新館の『アール・デコ・コレクターズ』展へ。伊勢彦信による家具や調度品、大村清一郎のルネ・ラリックのコレクション、そして松本瑠樹によるカッサンドルやラントランジジャンのポスターなど、そうそうたる品がずらりと並びます。

    今回は特別に旧朝香宮邸での写真撮影も平日に限りOK。この機会にじっくりアール・デコに浸ってみるのはいかがでしょう。(Pen編集部)


    上写真:《大客室》(松井写真館 1933年頃)

    《次室》(松井写真館 1933年頃) 「香水塔」は、かつて、うずまき状のところに香水を垂らして香りを館内に充満させていた、という逸話が残っているそう。

    《コーヒー・ティーセット》デレイド兄弟社 デザイン制作:1930年 Ise Foundation

    装飾パネル《 競技者 C》ルネ・ラリック 1912年 大村美術館(角館)蔵 日本とヨーロッパに各1点ずつしかない貴重なもの。

    『アール・デコの邸宅美術館 建築をみる2015 + ART DECO COLLECTORS』
    2014年7月18日(土)~9月23日(水・祝)

    東京都庭園美術館
    開館時間:10時~18時 10時~21時(金) ※入場は閉館の30分前まで
    休館日:第2・第4水曜日
    入館料:一般¥800
    www.teien-art-museum.ne.jp