渋谷ヒカリエに、リチャード・タトルの版画展を観に行こう。

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    『Type:O』2004年
    Color aquatint with drypoint and tarlatan chine collé, printed from three plates. From Type, a portfolio of 26 etchings.
    31.7 x 31.7 cm(Sheet)

    ドローイング、ペインティング、コラージュ、彫刻、インスタレーション……その作風は多岐にわたるアーティスト、リチャード・タトル。1965年のニューヨーク、当時重要な位置にあったBetty Parsons Galleryで初個展を行ったリチャードは、その後、壁に張ったワイヤーとその影、ドローイングの線で構成された「Wire Piece」など、現代美術の歴史に残る作品を発表し、ポスト・ミニマリスト世代を代表する作家として活躍してきました。今回、彼の版画作品にフォーカスした展覧会が、渋谷ヒカリエ、8/ ART GALLERY/ Tomio Koyama Galleryで始まっています。

    1941年、アメリカのニュージャージー州ローウェイで生まれたリチャードは、ハートフォードのトリニティー大学を卒業後、ニューヨーク、メキシコで活動を行っていきます。1975年には個展がホイットニー美術館ほかへ巡回、2005年からは大規模回顧展が、サンフランシスコ、ホイットニー、シカゴほか3カ所へ巡回し、その才能が世界へと広がっていきました。

    2014年秋からロンドン、テート・モダンで開催中の、『I Don't Know . The Weave of Textile Language』では、彼が自らデザインしインドで制作した布を使用した、巨大な彫刻作品を展示しています。また、同じくロンドンのホワイトチャペル ギャラリーでは、1967年から2014年にわたる仕事から、テキスタイルにフォーカスした展覧会を昨年末まで開催しました。ここでは、3インチのロープを壁に打ち付けた『Rope Piece』や、初個展でも登場していた『Wire Pieces』から新作までを網羅。このホワイトチャペル ギャラリーで展示された版画作品が、今回の展覧会で展示されています。

    壊れやすい紙や木片、ワイヤーや金属片など、身近に転がっているような、ありふれた素材が、驚きあふれる作品へと生まれ変わる。そんなリチャードの作品から、今回は版画作品を、この機会にじっくり堪能してください。(Pen編集部)

    『Type:R』2004年
    Color spit bite aquatint with drypoint and tarlatan chine collé, printed from two plates. From Type, a portfolio of 26 etchings.
    31.7 x 31.7 cm(Sheet)

    『Cloth: Label 1, 2, 5, 6』2002~2005年
    Inked snaplines on handmade paper
    40.6 x 40.6 cm(sheet) each / a set of 16 pieces

    『リチャード・タトル 版画展』
    ~2月2日(月)

    渋谷ヒカリエ 8/ ART GALLERY/ Tomio Koyama Gallery
    東京都渋谷区 渋谷2-21-1 8F
    TEL:03-6434-1493
    開館時間:11時~20時
    休:展示替え日(展覧会期中無休) 
    入場無料
    www.hikarie8.com/artgallery