京都・清水寺近くにオープンした「日東堂」は、日本の道具とおいしいコーヒーの店。クリエイティブ・ディレクターは水野学さんです。

  • 文:Pen編集部

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photo: Norio Kidera

京都・清水寺の近く、修学旅行の学生たちが楽しげに歩く姿も風物として愛される細い坂道に、ちょっと気になる店がオープンしました。名前は「日東堂」。「日本の藝と道具」と書かれた白い暖簾をくぐると、色とりどりのテープや文房具、カップなどの雑貨が並んでいます。ショップを始めたのはお馴染みの粘着クリーナー「コロコロ」を生み出した「ニトムズ」。なぜ、京都にショップを? 代表取締役の田中太さんは「暮らしに寄り添うモノづくりを進めてきたニトムズを多くの方に知ってもらいたいと考えていました」と語ります。クリエイティブ・ディレクションは、グッドデザインカンパニーの水野学さんが手がけました。ニトムズが優れた技術力を誇り独創的なアイテムを製造してきた企業であることに着目し、「ジャパンテクノロジー」をショップのテーマに。「伝統工芸だけではなく、先端テクノロジーによって生み出されるものまで視野に入れて、日本で製造される日常のための『いいもの』を発信する店です」

1階ではニトムズの多種多様なテープはもちろん、ニトムズの技術力を活かし、グッドデザインカンパニーがトータルディレクションを行った文房具「スタロジー」や、クラスカギャラリー&ショップ“Do”の大熊健郎さんが選んだ日用品を販売。さらに、「京都コーヒー」という日東堂のオリジナルコーヒーを出すカフェスタンドもつくりました。飲み物はテイクアウトの他、2階の多目的スペースでゆっくり味わってもOK。2階は中央にガラスの茶室「美庵(びあん)」を置いたクリーンな空間で、窓からは「八坂の塔」の名前で親しまれてきた法観寺の五重塔を望むことができます。アーティストを招いたイベントなども予定されているそう。人々が集い楽しむ場としても、これから楽しみな一軒です。

日東堂の1階左手がカフェスタンド。photo: Norio Kidera

ニトムズのインテリア用テープ「ハル スタックオンデザイン;」もさまざまなカラーが揃います。なかには日東堂でのみ限定販売される和柄のマスキングテープも。photo: Norio Kidera

2階の多目的スペースは1階で淹れたコーヒーを片手に寛げる場所に。今後イベントも予定。古い木造2階建てを勝田隆夫さん(LINE-INC.)がリノベーションしました。photo: Norio Kidera

日東堂

京都府京都市東山区八坂上町385-4
TEL: 075-525-8115
営業時間:10時~18時
不定休
http://nittodo.jp