大阪歴史博物館で、巨匠・村野藤吾の「やわらかな建築とインテリア」を開催中。

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    梅田吸気塔 写真パネル展示 設計:村野藤吾 昭和38年(1963)

    大阪・梅田を訪れた人なら巨大な網の目のように張り巡らされた梅田地下街に驚くことでしょう。その地下街の換気用に作られたのが梅田吸気塔。一見するとモニュメントのようにもみえるステンレス製の不思議な造形の塔は、半世紀前に大阪を拠点とし、日本現代建築に功績を残した建築家、村野藤吾が設計したものです。今年は村野藤吾の没後30年にあたることから、大阪歴史博物館で10月13日まで、特別展『村野藤吾 やわらかな建築とインテリア』が開催中です。
    村野は、当時の時代の潮流であったモダニズムから一定の距離を置き、人の感性や手仕事を重視した建築を手がけました。そして、ともすると無機質で堅牢な印象になりがちな建築を、五感にやさしく訴えかける「やわらかなもの」へと変えていきました。関西は尼崎市庁舎や宝塚市庁舎、東京では有楽町にある読売会館・そごう東京店(現ビックカメラ有楽町店)や日生劇場、国宝指定の迎賓館赤坂離宮本館の改修など、全国各地にじつに300を超える数の作品を残した彼の業績を、設計図やスケッチ、家具や愛用品を通して紹介します。博物館からは大阪城も一望でき、爽やかな秋の日にお薦めの展示です。(Pen編集部)

    椅子 村野藤吾作 昭和18年(1943) 村野家 / MURANO design蔵

    心斎橋プランタン 衝立(ついたて)昭和31年(1956)/京都工芸繊維大学美術工芸資料館蔵

    輸出繊維会館 傘立 昭和35年(1960)/株式会社輸出繊維会館蔵

    特別展『村野藤吾 やわらかな建築とインテリア』
    9月3日(水)~10月13日(月・祝)

    大阪歴史博物館6階
    大阪市中央区大手前4丁目1-32 

    電話:06-6946-5728
    開館時間:9時30分~17時(水~月)※入館は16時30分まで
    休館日:火 9月23日(火・祝)は開館、9月24日(水)は休館
    料金:一般¥1,000 高大生¥800 
    www.mus-his.city.osaka.jp/news/2014/muranotogo.html