ウェスティン都ホテル京都にオープンした、「京都最大級のスパ施設」の全貌

  • 文:小長谷奈都子

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SPA「華頂」男性用半露天風呂。天窓から入る光や庭園の眺めで、開放感たっぷりだ。利用は宿泊客とフィットネス会員のみなので、ゆったりと過ごすことができる。

京都・東山に連なる華頂山の麓に1890年に誕生し、130年にわたって各国皇室や大統領をはじめとする国賓やVIPを迎えてきたウェスティン都ホテル京都。その伝統や歴史を受け継ぎながら、よりラグジュアリーなホテルに生まれ変わるため、2018年より大改修プロジェクトを開始。客室やレストラン、クラブラウンジ、チャペル、数寄屋風別館「佳水園」と順次リニューアルし、この4月にスパ施設SPA「華頂」の完成でグランドリニューアルを遂げた。


全館にわたるデザインコンセプトは「The Queen of Elegance」。“気品ある女王”として国内外にその名を轟かせたいという思いが込められ、1959年に「佳水園」を設計した村野藤吾の特徴である優美さや曲線美が随所に継承された。


敷地内に湧出する天然温泉を使用したSPA「華頂」も、アーチやアールを多用したやわらかなフォルムに包まれた空間だ。5階と6階にわたる敷地面積約2,100㎡という京都最大級のスパ施設で、男性用、女性用の大浴場には、それぞれ大小ふたつの内湯、ジャグジー、サウナ、半露天風呂を用意。水路閣を思わせるモチーフや華頂山に続く庭園と一体となった半露天風呂など、琵琶湖疏水や華頂山との調和を大切にデザインされている。源泉名は「京都けあげ温泉」。低張性弱アルカリ性低温泉で、筋肉や関節の痛み、冷え性、胃腸機能の低下に効用があるという。スパ内に新設されたフランスのスキンケアサロン「ソティス」直営の「ル ジャルディン ソティス」やストレッチジムも注目だ。


ウェスティンが掲げる“MOVE WELL” “EAT WELL” “SLEEP WELL”といったウェルビーイングの世界を、より洗練されたものにアップデートさせた今回の大規模リニューアル。東山の自然に親しみながら、老舗ホテルの風格や上質なホスピタリティを感じる滞在となるはずだ。

高い天井に大胆な曲線、大きな窓で開放感があふれる男性用内風呂。大小の浴槽には温度の違う温泉を用意。京都市内とは思えないゆったりとしたリゾート感を味わえる。

女性用内風呂は天井を低く、窓をつくらず、おこもり感のある空間で、天井からのライトは空に輝く星を演出。サウナは男性用がドライ、女性用がスチームというのも心憎い。

「ル ジャルディン ソティス」では自然との調和をコンセプトに、温泉浴、スパトリートメント、指圧、お灸、瞑想に至るまで多彩なメニューを体験できる。

客室は2室を1室にするなどし、従来の平均客室面積より大幅に拡大。鴨川の川床をイメージしたカーペット、梅の花を模したスツールなど、内装は東山の自然がモチーフ。

2020年6月、西館屋上に新設された屋上庭園。四季折々の草花が植えられた開放的な庭から、京都の街並みを一望できる。裏山の探鳥路を進めば、森林浴を楽しめる。

ウェスティン都ホテル京都
Westin Miyako Hotel Kyoto
京都府京都市東山区粟田口華頂町1(三条けあげ)
TEL:075-771-7111
www.miyakohotels.ne.jp/westinkyoto/