知られざる名作住宅を訪れる絶好のチャンス。 建築家・山田守の自邸公開!

  • 文:佐藤千紗

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山田守自邸の2階和室。大きな開口部からは庭の豊かな緑を眺められる。(photo:山田新治郎)

東京九段の「日本武道館」、お茶の水の「聖橋」など、私たちにもなじみ深い、昭和の名建築を手掛けた山田守を知っていますか。

山田自身が設計した南青山の自邸がこの春初めて一般公開されます。場所は青山学院大学の隣、あの「蔦珈琲」のある場所と言えば、コーヒー好きの方はご存知でしょうか。山田守は1920年に東京帝国大学を卒業し、同級生の堀口捨巳らと「分離派建築会」を結成。建築の芸術性を主張しました。戦前は逓信省技師として、「東京中央電信局」「東京逓信病院」等を設計し、独立後は「京都タワービル」「東海大学代々木校舎」等の大型建築を手掛け、活躍しました。一方、住宅はわずか4作のみですが、珠玉の作品を残しています。1959年に建てられた自邸は、鉄筋コンクリート造のモダンな建築ながら、庭のみどりを取り込み、曲線をポイントに使った、軽やかで柔軟なデザインが魅力。
没後50年を記念して、自邸を公開し、「建築家・山田守の住宅」展を開催します。大きな建築の影に隠れ、これまであまり注目されてこなかった住宅作品の魅力を設計図や写真、模型と共に展示します。期間は4月12日(水)〜23日(日)のうちのわずか9日間。名作住宅に触れられる貴重な機会をお見逃しなく。

山田守自邸のポイントとなる階段室。優美で楽しげな螺旋階段の意匠。(photo:山田新治郎)

正面から見た竣工当時の山田守邸(国際建築1959年12月号より)。階段室の曲線が味わいとなっている。(出典:東海大学所蔵)

俯瞰で見ると、際立って開放的でモダンなつくりがよくわかる。(国際建築1959年12月号より。出典:東海大学所蔵)

「建築家・山田守の住宅」展 〜没後50周年・自邸公開〜

開催期間:4月12日(水)〜4月23日(日)までの水曜日〜日曜日(4/17, 18休み)
開催時間:水〜金/13:00〜18:00(最終入場17:30)、土・日/11:00〜17:00(最終入場16:30)
入場料:一般700円 学生500円
開催場所:山田守自邸 
港区南青山5-11-20
TEL:「建築家・山田守の住宅」展実行委員会 03-3721-1044
主催:「建築家・山田守の住宅」展実行委員会(委員長/藤岡洋保)
特別協力:山田五十一郎、東清仁、谷地富美子、山田新治郎
協力:一般社団法人住宅遺産トラスト
後援:一般社団法人日本建築家協会、一般社団法人日本建築士会連合会、一般社団法人日本建築学会DOCOMOMOJAPAN(50音順)
特別協賛:株式会社竹中工務店
展示協力:東海大学学園史資料センター、東京理科大学 岩岡竜夫研究室、東京家政学院大学 大宮司勝弘研究室

http://hhtrust.jp/