エルメス、スカーフ、ビンテージ加工、京都・祇園での製品染めサービスの妙。

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    イベント開催中の店内。

    東京・原宿で9月に行われた、メンズをフィーチャーした若々しいストリートイベントも記憶に新しい「エルメス」。“エレガンスのシンボル” といえる同メゾンの、次世代への挑戦が始まっています。

    最新のユニークな試みが、エルメスを代表するアイテム「カレ」(90cmシルクスカーフ)を、「Dip Dye」(ディップダイ)と呼ばれる手法で後染めする無料サービス。皆さんがお手持ちのスカーフを店に持っていけば、新たな息吹が吹き込まれてモダンに蘇ります!

    今の時代に注目されるリメイク手法の、エルメス流解釈といえるイベント「HERMESMATIC」(エルメスマティック)で選べる色は、青系の「ブルー・ジーン」と、ピンク系の「フューシャ」の2色。洗濯機で洋服を洗うかのごとく、マシンを使って染め上げられます。シルクスクリーンプリントのスカーフに、カラーフィルターを重ねたように色が乗せられ、長年使い込んだビンテージの風合いと、スポーティな服装にも合わせやすいカジュアルなイメージが加わります。

    Dip Dyeできるのは、京都に誕生した「エルメス祇園店」にて。11月3日(木)〜30日(水)まで一ヶ月間のみの受付です。預けたスカーフは、約2週間後に仕上がります。1階でカレが販売されているので、Dip Dyeに似合う一枚を選ぶ、なんて贅沢な遊びもできます。

    同店の2階では11月20日(日)まで、京都にゆかりのある著名人19名の、染め上がった私物スカーフをギャラリー展示。参加した方々は、「スープストックトーキョー」代表の遠山正道さん、日本画家の森田りえ子さん、ファッションディレクターの干場義雅さん、「アーツ&サイエンス」オーナーのソニア・パークさん、書家の川尾朋子さん、長楽館オーナーの土手素子さん、騎手の武豊さんなど。「妻が初めて買ったスカーフ」(遠山さん)、「独立記念の旅で購入」(干場さん)、「亡き母の思い出」(ソニアさん)といった、このスカーフへの深い愛情や、Dip Dyeした理由が詳細に語られたコメントも添えられ、一読の価値ありです。

    百貨店「大丸松坂屋」が、町家を活用した実験的な「大丸京都店」でもあるこの家に、エルメスは2017年7月まで期間限定出店しています。HERMESMATICが終了したあとも様々に変化していきますから、京都を訪れたら必ずチェックしに行きたいものです。(高橋一史)


    店内内装は「鬼木デザインスタジオ」が担当。

    洗濯機のディスプレイもユニークなイベント「HERMESMATIC」。

    Dip Dyeしたスカーフの展示風景。染め上げ前の写真や製造年、参加者のコメントを、設置されたiPadで詳しく閲覧できます。

    祇園・花見小路の町家を店に。
    photos : Nacása & Partners Inc. / Courtesy of Hermès Japon

    HERMESMATIC
    2016年11月3日(木)~11月30日(水)

    エルメス祇園店
    2016年11月3日(木)~2017年7月31日(月)
    京都市東山区祇園町南側570番地8
    営業時間:11時~19時
    定休日:木曜

    問い合わせ先/エルメス ジャポン
    TEL:03-3569-3300
    www.hermes.com