建築家、原広司が思索とともに描いた壁紙とは。市原湖畔美術館の「原広司:WALLPAPERS」展。

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    作品を前にする原広司。撮影:新井卓

    海外からの絶大な人気を誇る建築物「梅田スカイビル」をはじめ、大階段によってダイナミックな舞台のような空間を生み出した「JR京都駅」、移動式のグラウンドを取り入れた「札幌ドーム」など、数々の名建築を生み出してきた建築家、原広司。その展覧会『原広司:WALLPAPERS』が千葉の市原湖畔美術館で12月28日まで行われています。

    原独自の空間構成は他に類を見ず、海外の建築家にもファンが多いことから、建築のプロたちが愛する建築家ともいうべき特別な存在のように感じます。1970年代に世界の集落で行い、後にそれらの調査をもとに記した著作をもつ原は、「空間」とはなにかを探り続ける哲学者のようでもあります。その思索の旅の途上で出会った数々の書物の一部を、「風景」にしたのが今展。アリストテレスの『形而上学』をはじめ、2500年の歴史のなかでうまれた数々の書物を舞台にした、原の写経。その思考の一辺を見ることのできる貴重な機会です。(Pen編集部)

    会場で展示される作品。左から『領域分割図(2014.11.14.東京 夕暮れ)』、アリストテレス『形而上学』第五巻(部分)および『自然学』第三巻(部分)

    『梅田スカイビル』(1993年)撮影:大橋富夫

    『原広司:WALLPAPERS』展
    ~12月28日

    市原湖畔美術館
    千葉県市原市不入75-1
    TEL:0436-98-1525
    開館時間:10時〜17時(火~金) 
    9時30分〜19時(土、祝前日) 
    9時30分~18時(日、祝)
    休:月(祝日は開館し翌休)
    料金:一般¥800
    www.lsm-ichihara.jp