ミラノを沸かせた腕時計×アートの競演が再び! 東京・原宿で公開される、...

ミラノを沸かせた腕時計×アートの競演が再び! 東京・原宿で公開される、「グランドセイコー」のインスタレーションに注目。

文:和田達彦

ミラノ・デザインウィーク2019で、デザインスタジオwe+(ウィープラス)が手がけたインスタレーション「FLUX」。光を宿した流体が変容していくさまに映像を重ねることで、時の移ろいやはかなさの可視化を試み、スプリングドライブの世界観を表現した。

イタリアのミラノで今年4月に開催された、世界最大規模のデザインの祭典「ミラノ・デザインウィーク2019」。日本を代表する腕時計ブランド「グランドセイコー」は昨年に続き2度目の出展を果たしたが、好評を博したこのインスタレーション「THE NATURE OF TIME」が、スケールアップして東京にやってくる。

「THE NATURE OF TIME」は、「NATURE」という言葉がもつ「自然」と「本質」というふたつの意味を、すべての営みが自然の一部であるとする日本ならではの時間意識、そしてグランドセイコーが常に追求してきた時の本質と捉えたもの。この展示タイトルのもと、流れるように動く秒針を備えたセイコー独自の駆動機構、スプリングドライブが紡ぐ「移ろい流れ続ける時と、その永続性」を空間に表現。デザインの企画制作会社TRUNKを主宰する桐山登士樹をプロデューサーに迎え、クリエイターには、デザインスタジオのwe+(ウィープラス)とCGディレクターの阿部伸吾が起用された。

東京の街全体をミュージアムとする、デザインとアートの祭典「デザイナートトーキョー2019」。この公式プログラムとして、10月16日(水)から20日(日)まで東京・原宿のjing(ジング)で開催される『THE NATURE OF TIME』東京展は、ミラノでの展示のスケールを拡大し、「光に誘われる、時の流れの旅」を体感する空間として再構成したものだ。会場に足を踏み入れると、来場者を出迎えるのは阿部伸吾の映像作品「movement」。スプリングドライブのなめらかに動く秒針からこぼれ落ちた光の粒子が、観る者を日常の喧騒から解き放ち、“時間知覚”の緩やかな変化を感じさせる心の小旅行へと誘う。

続いて来場者を迎えるのは「FLUX」と題し、「流動、絶え間ない変化」をコンセプトにしたwe+のインスタレーションとオブジェ。まずインスタレーションでは、ダイナミックな映像を背景に、光を宿した流体の波紋が水面に緩やかに広がる。時の移ろいとはかなさ、“時間知覚”が可視化され、一人ひとりの中に流れる主観的な時間へと没入していく場となる。

そこから先に進むと、こより和紙に包まれた空間に「FLUX」のガラス製オブジェが置かれている。手に取ると、光る粒子と内部に収められたパーツが絡み合い、技術と感性が融合して生まれるスプリングドライブの世界観を感じとることができる。また会場では、グランドセイコーの代表的なモデルの展示も行われるとのこと。時というものが導く力、そしてグランドセイコーの世界観を体感することができる、魅力的な展示になりそうだ。

ミラノ・デザインウィーク2019で、CGディレクターの阿部伸吾が手がけた映像作品「movement」。スプリングドライブのなめらかに秒針を動かす力を、見る者の心を別の場所へ運んでくれる動力と見立て、“時間知覚”の緩やかな変化と数秒間の心の小旅行を映像化した。

同じくwe+が手がけた「FLUX」のオブジェ。有機的なフォルムのガラス製オブジェは、手に取ると光る粒子と内部に収められたパーツが絡み合い、技術と感性が融合して生まれるスプリングドライブの世界観を象徴的に伝える。

スプリングドライブを搭載したグランドセイコーを代表するモデル、ヘリテージコレクション「SBGA211」¥682,000(税込)。構想から20年以上の開発期間を経て1999年に誕生したスプリングドライブは、ぜんまい駆動でありながら日差1秒以内という高精度を実現。日本ならではの繊細なモノづくりと先端技術の融合が、世界から高い評価を受けている。

『THE NATURE OF TIME』東京展

開催期間:2019年10月16日(水)~10月20日(日)
開催場所:jing(ジング)
東京都渋谷区神宮前6-35-6
開場時間:11時~20時
入場無料
※会期中はトークイベントを多数開催。第1回は10月16日(水)19時~19時50分で、登壇者には林信行(フリージャーナリスト)、畑中正人(作曲家・サウンドデザイナー)を予定。イベントの申し込み、詳細は下記の特設サイトまで。

問い合わせ先/セイコーウオッチ お客様相談室
TEL:0120-302-617
特設サイトURL

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