フリッツ・ハンセン145年の歴史をたどる展覧会に、貴重な北欧デザインの...

フリッツ・ハンセン145年の歴史をたどる展覧会に、貴重な北欧デザインの傑作椅子が集結!

文:佐藤千紗

ハンス・ウェグナーの「チャイナチェア」やアルネ・ヤコブセンの「ドロップ」、ヴァーナー・パントンの「ワイヤーコーンチェア」など、北欧デザインのアイコン的な椅子が美しく並び、まるでデザイン・ミュージアムのよう。

フリッツ・ハンセン青山本店では、2017年11月15日(水)まで『フリッツ・ハンセンの歴史展―145年の歩み―』を開催。日本とデンマークの外交関係150周年を記念し、これまでの代表的な椅子を集めた貴重なヴィンテージ・コレクションを展示しています。デンマーク本社に所蔵されているアーカイブを、国外で展示するのは初めての試み。加えて、椅子研究家の織田憲嗣やホワイトマウンテニアリングのデザイナー相澤陽介、フリッツ・ハンセン社員の所有するコレクションも交えて展示しています。

家具職人であったフリッツ・ハンセンは、1872年に会社を設立。初めてつくった「ファースト・チェア」は、フリッツ・ハンセン自身がオフィスチェアとして生涯愛用し、75年にわたり使い続けられたもの。装飾が好まれた当時としては珍しい、この上なくシンプルで素朴なデザインです。成形合板のフレームと革の座面を使用している点にも、先進性と実用性を両立させるブランドの原点が感じられます。

その後、デザイナーや建築家との共同制作をはじめ、数々の名作を世に送り出したフリッツ・ハンセン。なかでもゆかりの深いアルネ・ヤコブセンとは、「アリンコチェア」、「セブンチェア」、「スワンチェア」など、北欧デザインを代表する傑作を生み出しました。

展覧会のオープニングに際しては、織田憲嗣によるガイドツアーも行われました。「アリンコチェア」、「ドットスツール」など三本脚の椅子が多い理由を、「北欧の民家の土間は石敷きが多く、四本脚だとバランスが悪い。だから、北欧の椅子には三本脚が多いのです」と解説。生活文化に根ざした椅子の背景を知ると、愛着も一層深まります。

北欧デザインの伝統を感じられる傑作が揃う貴重な機会。ぜひ、間近で魅力に触れてみてください。

ディスプレイは、インテリア・スタイリストの作原文子が手がけています。

「フリッツ・ハンセンの歴史展―145年の歩み―」

開催期間:2017年10月13日(金)〜11月15日(水)
開催場所:フリッツ・ハンセン青山本店
東京都港区北青山3-10-11 1F、B1F
TEL:03-3400-3107
ショップ営業時間:11時〜19時
ミュージアム営業時間:12時~18時
会期中入場料無料

フリッツ・ハンセン145年の歴史をたどる展覧会に、貴重な北欧デザインの...