ミラノ・デザインウィークでも話題を呼んだ、 “ガラスの未来”を体感するAGCのインスタレーションが東京にやってきました。

  • 文:山田泰巨

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2015年に発表された「GLACIER FORMATION (グレイシアフォーメイション)」は、映像を投影することのできる高さ約3mのガラスを緻密かつダイナミックに配置。氷河をイメージしてつくり出された新しい映像空間です。ガラスならではの、透過と反射という特性を体験することができます。

イタリアで毎年4月に開催されるデザインの祭典「ミラノ・デザインウィーク」で、2015年から2017年まで3回にわたってインスタレーションを行い、話題を集めてきたAGC旭硝子。そのインスタレーションが『FEEL! GLASS』として再構成され、2017年11月26日(日)まで東京・表参道ヒルズのスペース オーに展示されています。

AGCは1907年に創立されたガラス製品のメーカー。その名は知らずとも、AGCが手がけた建築、自動車、ディスプレイなどに使われるガラス製品は、私たちにとって身近な存在です。そんな彼らが、技術視点の発想だけでなく、建築家やデザイナーとともにデザインの視点をもって挑んだのが、ミラノ・デザインウィークのインスタレーションです。そこで展示されたのは、映像を映し出すガラス、薄く軽く強いガラス、触感にこだわったガラスなど……。AGCの技術力に刺激を受けた建築家やデザイナーによるユニークなデザインが、世界各国から来場したデザイン関係者を大いに楽しませたのです。

最新技術とデザイナーとのコラボレーションが生み出す“ガラスの未来”は、見る者にさまざまなインスピレーションをもたらしてくれるでしょう。日々触れるガラスの魅力を改めて見つめ直し、新たなる可能性を体感してください。

それぞれが異なる表情を見せる「ガラスの氷河」。中を歩けば、浮遊感ある不思議な感覚を楽しめます。

2016年に発表された「Amorphous(アモルファス)」。約数千枚のさまざまな種類の薄板化学強化ガラスで10億倍に拡大したガラスの分子構造模型を表現しました。薄く軽やかなガラスからつくり出される、不定形なガラスの分子構造(アモルファス)を体感できる幻想的な作品です。

2017年に発表されたのは、ガラスに触れることに着目した体験型の「Touch」。「揺らす」「叩く」「回す」「描く」などの行動を誘発するオブジェや遊具を展示。楽しみながら、型板、成形型、化学処理、コーティングといった加工を施したガラスの触感を、体験できる作品です。

こちらは回転するガラスに絵を描く作品。来場者が実際に描いて楽しむことができます。

AGC Asahi Glass 110th Anniversary 『FEEL! GLASS』Glass Installation from Milan Design Week

開催期間:2017年11月20日(月)〜11月26日(日)
開催場所:表参道ヒルズ 本館B3F スペース オー
東京都渋谷区神宮前4-12-10
TEL: 03-3475-2121
開催時間:11時〜20時 ※最終日は18時まで
会期中無休
入場無料