COSがミラノで披露した、空と建築の美をシェアするインスタレーションの動画が公開中。

  • 写真:フランキー・ヴォーン
  • コーディネート:坂本きよえ(STUDIO SAKAMOTO)
  • 文:Pen編集部

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ミラノ・デザインウィークで大きな話題を呼んだCOS×フィリップ・K・スミス3世の展示『オープン・スカイ』。去る4月17日から22日まで公開されました。 photo: Courtesy of COS

去る4月に開かれ、世界中から多くの人が訪れたミラノ・デザインウィーク。昨今は家具メーカーのみならず、異業種企業のプレゼンテーションも活発です。なかでも、ファッションブランドのCOSは、過去に建築家の藤本壮介やデザインデュオのスタジオ・スワインらを起用した特別展で注目を集めてきました。7度目を迎えた今年は、環境を取り込んだ作品で知られるアメリカのアーティスト、フィリップ・K・スミス3世を抜擢。初の屋外展示で大きな話題を呼びました。

会場は、ルネサンス期の邸宅パラッツォ・イジンバルディ。列柱に囲まれた中庭に、すり鉢のように外に広がる傾斜をつけて鏡が並べられています。スミス3世は次のように説明してくれました。「空と歴史的な建築をどのように調和させるかを考えました。歩きながら眺めると、建物や空の映り込みが変化していきます」

板状の鏡の形でシャープに空と建物が切り取られ、その連続が新たなイメージをつくり出していきます。見る位置や時間によって、見えるものがまったく異なるのです。COSのクリエイティブ・ディレクター、カリン・グスタフソンに尋ねると、「一人ひとりが唯一の体験ができる作品」と賛辞を送り、ブランドの姿勢をこう語りました。「COSはアートから多くのインスピレーションを得ています。この豊かな体験を多くの人と共有したい。それがこうしたプロジェクトを続ける理由です」

作品の題は『オープン・スカイ』。美しい空を取り込んで人々とシェアする開かれた作品は、COSのブランド哲学と呼応するものです。いま、このインスタレーションの動画が公開中。COS×フィリップ・K・スミス3世がシェアしたミラノの空を、ぜひ見てみてください。

フィリップ・K・スミス3世は、1972年アメリカ、ロサンゼルス生まれ。ロードアイランド・スクール・オブ・デザインで美術と建築の学士号を取得。現在は、パームスプリングスを拠点に活動。光を用いた制作を中心とし、鏡によって環境を取り込んだインスタレーションで知られています。www.pks3.com

パラッツォ・イシンバルディと空とが映り込んだ『オープン・スカイ』。作品の中を移動するに連れて、新たな景色が眼前の鏡に現れます。

美しい芝が広がるパラッツォ・イシンバルディの庭でも、スミス3世の作品が発表されました。角度を付けた帯状の鏡を水平に並べたオブジェで、上下の景色を圧縮して取り込んでいるように見えます。

問い合わせ先/ COS www.cosstores.com/jp