ジョルジオ・アルマーニと安藤忠雄が、ミラノで『Tadao Ando. The Challenge』展を開催中です。

  • 文:山田泰巨

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『Tadao Ando. The Challenge』のオープニングで再会した二人。アルマーニさんの手元には、安藤さんから贈られた青いリンゴが。photo_SGP

2017年、東京の国立新美術館。2018年、パリのポンピドゥー・センター。そして2019年、ミラノの「アルマーニ / シーロス」へ。建築家・安藤忠雄さんの建築、そして生き様を伝える大々的な建築展「挑戦」がミラノへと巡回中です。

本展をオーガナイズするのは、世界的に知られるファッションデザイナー、ジョルジオ・アルマーニ。パリの展覧会を訪れたアルマーニさんがその展示に魅了され、自ら安藤さんへとミラノでの展示をリクエストしたといいます。安藤さんとアルマーニさんは、2001年に完成したミラノ・ベルゴニョーネ通りの多目的施設「アルマーニ / テアトロ」で協働して以来、深い友情で結ばれてきました。今回はミラノ・デザインウィークとともに展覧会がスタート。そのオープニングには世界中から建築・デザイン関係者が駆けつけました。

会場エントランス。写真中央に「光の教会」の写真が見え、その横には安藤さんがアルマーニさんに贈った青いリンゴのオブジェが置かれています。photo_Delfino Sisto Legnani e Marco Cappelletti

会場風景。左は現在工事が進むパリの美術館「ブルス・ドゥ・コメルス」、右は「アルマーニ / テアトロ」の模型。photo_Delfino Sisto Legnani e Marco Cappelletti

これまでさまざまな展覧会を開催してきた「アルマーニ / シーロス」ですが、建築展の開催はこれが初めて。『Tadao Ando. The Challenge』と名付けられた展覧会は4つのセクションで構成され、図面や模型、スケッチ、ドローイング、そして映像などの多彩な資料で安藤建築の本質に迫ります。安藤建築の原点である住宅「住吉の長屋」に始まり、約30年かかわり続けてきた直島のプロジェクト、現在工事が進むパリの美術館「ブルス・ドゥ・コメルス」など、50以上のプロジェクトを紹介。さらに安藤さんの建築の原点にある「旅」のスケッチ、そして安藤さん自身が撮影した建築写真も展示され、その類いまれなる視点を知るができます。

本展ではこれまでの展示に加え、新たに「アルマーニ / テアトロ」の模型が加えられています。模型とともに飾られるのは2001年に撮影された二人の写真。そして会場入り口には安藤さんがアルマーニさんに贈った青いリンゴのオブジェが置かれています。情熱を持って走り続ける限り、青春は続く。そんなメッセージを込めて贈られたリンゴの姿に、あらためて長く時代をリードしつづけてきた二人の情熱と、その衰えぬことのない熱い想いを読み取ることができるでしょう。

開催は7月28日(日)まで。建築、デザイン、そしてファッションを進化させ続ける国、イタリア。この地で行われる安藤さんとアルマーニさんの思いが交錯する展覧会を、ぜひご覧ください。

2001年に完成したミラノ・ベルゴニョーネ通りの多目的施設「アルマーニ / テアトロ」。安藤さんの建築哲学と、アルマーニさんの美学が交差する美しい空間です。Courtesy of Giorgio Armani

「アルマーニ / テアトロ」完成時の二人。以来、変わらぬ友情が二人を結びつけます。photo_Roger Hutchings

『Tadao Ando. The Challenge』

期間:2019年4月9日(火)~7月28日(日)
会場:アルマーニ / シーロス
Via Bergognone 40, Milano
開館時間:11時~19時(水、金、日) 11時~21時(木、土)
休館日:月、火
入場料:12ユーロ(オーディオガイド3ユーロ)

https://www.armani.com/silos/jp/