取り壊し前に見学したい、集合住宅の名作。
SINGAPORE シンガポール

取り壊し前に見学したい、集合住宅の名作。

文:葛西玲子

新生パールバンクの計画案。もとの建物の記憶を留めて、外観に緑を取り込む。photo: © One Pearl Bank Condo

現在の建物。ブルータリズムの影響を受けた建築は、1970年代の竣工当時、新しいライフスタイルを提唱する空間として話題になった。photograph by Reiko Kasai

チャイナタウンに隣接した丘にそびえる、シンガポール初の個人向け高層集合住宅として1970年代に建造された「パールバンク・アパートメント」。遠景からも望める馬蹄形の構造は、地域のランドマークとして長く親しまれてきた。築年数の経過とともに、歴史建造物として保存するか否かの論争が世間を賑わせたが、再開発されることが決定。このたび、「ワンパールバンク」という新たな名称とともに、設計案が発表された。オリジナルのデザインを踏まえた円柱形の39階建ての分譲マンションは、単身向けから家族向けまで774室を擁し、完成予定は2023年。年度内には取り壊しが始まる可能性もあり、シンガポールを訪れた際には、ぜひ見ておきたい。

One Pearl Bank

1 Pearl Bank, Singapore 169016
最寄り駅:OUTRAM PARK
www.capitaland.com/sites/onepearlbank

取り壊し前に見学したい、集合住宅の名作。