気軽に“修行”ができるモダン宿坊、大阪に誕生した「和空 下寺町」をご存じですか?

  • 文:小長谷奈都子

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施設は鉄筋3階建ての建物で、周辺の街並みに溶け込むようにモダンな外観。暖簾をくぐり、一歩中に足を踏み入れると、和の凜とした空間が広がります。

大阪の天王寺にある下寺町は、南北1400メートル、東西400メートルのエリアに約80の寺院が集中する全国的にも珍しい寺町。周辺には、聖徳太子ゆかりの和宗総本山 四天王寺や法然上人が住んだといわれる一心寺、真田幸村が戦死した安居神社など、歴史ドラマに彩られた有名な寺社仏閣が点在しています。

この歴史深い町に誕生したのが、新しい宿坊のかたちを提案する「和空下寺町」。宿坊とは、寺社の参拝者のための宿泊施設のこと。そこで体験できる写経や写仏、精進料理などを、都心の最新設備で気軽に体験することができる“現代の宿坊”なのです。

硯で墨をするところから始める写経。自然と背筋が伸びるような緊張感が心地いい。多くの修行体験は52畳の1階大広間で行われます。

ここでは、地域の寺社の協力のもと、寺社や日本の文化に触れられる、宗旨宗派を問わないさまざまな修行や文化体験のプログラムを用意。仏様の教えであるお経を書き写す写経や、仏画を書き写して学びを深める写仏は、行い自体に功徳があり、祈願成就としても行われる修行です。手本をなぞるだけと手軽ながら、一筆一筆こころを込めて筆を運んでいると、集中力が高まり、自分自身の内面を見つめ直す時間が過ごせます。

朝のお勤めでは、早朝に周辺の寺院を訪ね、お経を唱えたり、護摩祈祷に参加。写真は良縁成就や夫婦和合の本尊として信仰が厚い、愛染堂勝鬘院にて。

そして、ぜひ参加したいのが朝のお勤め。仏前でお経を読んで祈りを捧げるお勤めで、ここ「和空下寺町」では声明(しょうみょう)や護摩祈祷を現在取り入れているとのこと。早朝の清々しい空気の中、心が洗われるようなひとときが過ごせるはずです。最近では社員研修の一環として仕事への集中力を養い姿勢を学ぶ目的で宿坊体験を実施する企業も増えてきています。また、インバウンド事業や東京オリンピックを迎えるにあたって日本の文化伝統を伝えられる人材づくりなど、1泊2日の体験によって得られる効果が注目されています。凛とするひとときは、ビジネスの味方にもなりうるのです。

全26室の部屋はすべて畳敷きにベッドを置いた和洋室。各部屋ごとに異なる日本の伝統色のクロスが使われています。写真はシングルルーム。

施設は、和の雰囲気が漂うモダンなつくり。部屋も畳敷きに低層ベッドをおいた和洋室で、ホテルのように快適に過ごすことができるのです。歴史ある街に誕生した新時代の宿坊施設。非日常の静謐な時間の中で、新たな発見や学びがあったり、心とからだを整えたり。慌ただしい日常を離れて、自分自身と向き合ってはいかがでしょうか。

「五法・五味・五色」を基本につくられる精進料理は、彩りの美しさと味わいの豊かさに感動。低カロリーで栄養バランスに優れ、からだにも嬉しい。

和空 下寺町

住所:大阪府大阪市天王寺区下寺町2丁目5-12
TEL:06-6775-7020
ご利用料金:スタンダードプラン¥22,000~/人(朝のお勤め、写経・写仏または坐禅、精進料理)、プレミアムプラン¥25,000~/人(朝のお勤め、写経・写仏または坐禅、精進料理/プレミアムコース)、その他限定プランを近日公開 ※2名様ご利用の場合

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