映画ライターが厳選! 2021年アップカミングな女優6人。

  • 選:よしひろまさみち
  • 編集・文:佐野慎吾

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映画ライターのよしひろまさみちが、近年の実績や今年の公開作、その他SNSやYouTubeなどから総合的に判断して、アップカミングな女優をリストアップ! 2021年、さらなる活躍が期待されるのは、この6人だ。

※こちらはPen2/1号「女優。」特集よりPen編集部が再編集した記事です。


芳根京子 ━━ビッグタイトルの連続で、さらなる飛躍の年に。

芳根京子 ●1997年、東京都生まれ。2013年にフジテレビ系ドラマ『ラスト♡シンデレラ』でデビュー。15年にオーディションで1000人以上の参加者の中から選ばれ、TBS系ドラマ『表参道高校合唱部!』で初めての主演を務める。16年にNHK 連続テレビ小説『べっぴんさん』で、ヒロインの坂東すみれ役に抜擢。19年、映画『累─かさね─』と『散り椿』で、第42回日本アカデミー賞新人俳優賞を受賞。

既に「朝ドラ」や「月9ドラマ」でヒロインを経験し、日本アカデミー賞の新人俳優賞も受賞している芳根京子だが、今年はさらに飛躍の年となるようだ。

「かなりのキャリアがあるのに、いまだに瑞々しさを失わないところがすごいと思います。個人的には2019年の映画『今日も嫌がらせ弁当』で演じた、反抗期の女子高生役がリアルすぎて衝撃を受けました。今年は2月に映画『ファーストラブ』、6月に『峠 最後のサムライ』と、ビッグタイトルの公開が控えています。どちらの作品でも豪華共演者に囲まれていますが、バッチリ爪痕を残しているはずです(笑)」

キャリア、実力、注目作が揃った今年、芳根京子から目が離せない。


白石 聖 ━━出演作の幅が広がり、オールラウンダーに急成長。

白石 聖 ●1998年、神奈川県生まれ。2016年に女優デビュー。18年に日本テレビ系ドラマ『PRINCE OF LEGEND』、フジテレビ系ドラマ『キミの墓石を建てに行こう。』、BSスカパー! のドラマ『I”s』の3作品でヒロインに抜擢される。20年にフジテレビ系ドラマ『恐怖新聞』で連続ドラマ初主演。このドラマの放映期間中に1st写真集『白石聖 2016-2020』(ワニブックス)を発売。重版のかかるヒットを記録する。

「2020年は、つのだじろうのオカルトコミックを原作にしたドラマ『恐怖新聞』で、黒木瞳さんの娘役を演じた白石聖さんがかなりツボでした。母親とぶつかることの多い役でしたが、黒木さんとバチバチの芝居合戦を繰り広げていましたね(笑)」

同時期にファースト写真集も発売し、ドラマとともに話題を振りまいた。

「今年は、いまジャニーズJr.で人気急上昇中の、浮所飛貴と共演する映画『胸が鳴るのは君のせい』が公開されるので女性からの支持がさらに上がりそうな予感。男性共演者の魅力を引き立てつつ、自分の存在感も残せる稀有な存在だと思うので」

性別や年代を超えて確実にリーチする、守備範囲の広さでブレイク必至。


【白石聖登場】Pen No.445「バズる美女。2018」

森田望智 ━━人気作の続編が始まる今年、 話題をさらうことは確実。

森田望智 ●1996年、神奈川県生まれ。2011年、TVCMへの出演を機に、女優としての活動を始める。以降ドラマや映画でもキャリアを積み、19年にスタートしたNetflixオリジナルドラマ『全裸監督』のヒロイン役で大きな反響を呼んだ。第24回釜山国際映画祭アジアンフィルムマーケットのアジアコンテンツアワード最優秀新人賞を受賞。

2019年のNetflixオリジナルシリーズ『全裸監督』で、一躍脚光を浴びた森田望智。今年は待望のシーズン2がスタートすることもあり、話題を呼ぶことは確実だろう。

「センセーショナルなシーンで話題になることも多いですが、細かい部分の表現もものすごくうまいんです。監督の武さんも、『思い描いたヴィジョンを上回るケミストリーを起こしてくれる』と絶賛していました。今年もどれだけバズってくれるか、楽しみな女優さんです」

ネット配信系の作品で名を上げた俳優が、映画や地上波作品に“逆輸入”されていくルートも確立されそうだ。


富田望生 ━━若きバイプレイヤーは、驚きの演技で目が離せない。

富田望生 ●2000年、福島県生まれ。15年に映画『ソロモンの偽証』で女優デビュー。17年の『チア☆ダン~女子高生がチアダンスで全米制覇しちゃったホントの話~』などを経て、19年に日本テレビ系ドラマ『3年A組 ─今から皆さんは、人質です─』や、20年のフジテレビ系ドラマ『教場』などで一躍脚光を浴びる。その存在感は特別。

「彼女は絶対に、これからの世代を担う名バイプレイヤーになっていくはず」と、よしひろさんは断言する。どの作品でも唯一無二の存在感を示してきた富田望生は、既にその言葉を裏付けるような活躍ぶりだ。

「昨年は映画『私がモテてどうすんだ』を観て、改めて衝撃を受けました。自分の立ち位置をガッチリとつかんでいて、演じるキャラクターがいちばん輝く見せ方をよく理解しているんだろうなって考えると、空恐ろしいほどの才能です。あと彼女は時代劇映えすることも確実。絶対にいい味を出してくれるはず」

次はどんなキャラクターを見せてくれるのか、まったく想像がつかないところも、目が離せないポイントだ。


【富田望生出演】『男はつらいよ』ちょっと話したくなる12のトリビア

小野莉奈 ━━実力が問われる作品で、 結果を残す若き女優。

小野莉奈 ●2000年、東京都生まれ。17年にフジテレビ系ドラマ『セシルのもくろみ』のスピンオフドラマ『セシルボーイズ』で女優デビュー。18年にTBSドラマ『中学聖日記』で連続ドラマ初のレギュラー出演を果たす。19年にオーディションから舞台『アルプススタンドのはしの方』で主演の座を射止め、20年に同名映画でも主演を務める。

昨年、原作の舞台と同キャストで映画化された映画『アルプススタンドのはしの方』で、主演を務めた小野莉奈。この役で小野は、TAMA映画賞特別賞を受賞した。

「この作品はもともと舞台演劇ということもあり、ほぼほぼメインキャストしか出てこないし、場面転換も少ないので、彼らの芝居にすべてがかかっていた映画でした。でも小野さんはじめ、キャスト全員が本当にいいお芝居を見せてくれて、とにかく最高の作品に仕上がっていました。私のまわりのライター界隈では、この作品を昨年のベストに挙げる人がとっても多かったんですよ」


箭内夢菜 ━━話題作総なめの理由は、規格外の成長速度。

箭内夢菜 ●2000年、福島県生まれ。17年に雑誌『セブンティーン』の専属モデルオーディション「ミスセブンティーン」でグランプリを獲得。18年にTBS系ドラマ『チア☆ダン』で、メインキャストのひとりとしてテレビドラマ初出演。19年に映画『雪の華』で映画初出演。20年にYouTubeチャンネル「箭内夢菜のユメ」を開設。

「やっぱりファッション誌のモデル経験者は、カメラ前に立った時に華があるし、ひとたび女優業に本腰を入れると、どんどんうまくなって急成長していくんですよね。箭内夢菜さんも、2018年に『チア☆ダン』でドラマデビューしてから、19年には『3年A組 ─ 今から皆さんは、人質です─』『俺のスカート、どこ行った?』『ブラック校則』と、話題の学園ドラマ3作にすべて出演しているんです。しかもドラマだけじゃなく、その年は映画も4作品に出演しています(笑)。今年の状況次第では、本格的に大ブレイクするはずです」

昨年は自身でYouTubeチャンネルを開設し、同世代からの人気はさらに上昇中のようだ。

よしひろまさみち ●映画ライター。1972年、東京都生まれ。音楽誌、女性誌、情報誌などの編集部を経てフリーに。雑誌の編集、執筆のほか、日本テレビ系情報番組『スッキリ』では、月一回の映画紹介コーナーをもつ。ラジオ出演、雑誌連載など多数