“鉄道遺構”って言葉、知っていますか?

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    平成 9 年に廃止隧道となり、平成 19 年に遊歩道として公開された中央本線・大日影トンネル。新トンネル建設に伴い、以前から使用されていたレールも敷かれたまま、距離標や勾配標、ベンチマークなどの鉄道標識も見ることが可能です。

    11月21日まで、東京のLIXILギャラリーで「鉄道遺構・再発見」が開催中です。
    本展は、全国各地に点在するさまざまな廃線跡にフォーカスし、次代に向けてその“鉄道遺構”を貴重な資産として受け継いでいくために、ダイナミックな写真でその魅力を伝える展覧会です。

    日本で初めて鉄道が開通したのは、明治5年(1872年)。その後、鉄道網は明治産業革命の要として全国に広がっていきます。山にトンネルを通し、川に橋をかけるなど、地域ごとに異なる地理的条件を克服しながらつながれたレールは、いまも当時の高い鉄道技術を伝えています。

    本展では、人々の歴史と知恵を未来につなげる存在として保存され、新しい形で地域で活用されている事例など、新たな価値を見出された鉄道遺構14件を厳選して紹介。各線を土木写真家・西山芳一氏による写真で展示し、その存在感と魅力を観る者に伝えます。

    紹介される鉄道遺構は、森林鉄道として日本で初めて重要文化財に指定された高知県・魚梁瀬森林鉄道や、いまは人々の行き交うプロムナードとなった横浜臨港線など多彩。現在の姿だけでなく、当時の古写真や一部映像も交えて展示されます。


    建造当時の技術、歴史が詰まった鉄道遺構の魅力と価値を見つめなおすきっかけとなるのではないでしょうか。(高柳 圭)

    高知県の魚梁瀬森林鉄道・明神口橋。下路式の鋼製単トラス桁橋で全長43.2m。開通当初はヒノキ材で建造されましたが、機関車の導入に伴い現在の鉄骨トラス橋に架け替えられました。

    北海道の士幌線・第四音更川橋梁、士幌線は、戦後電源開発でダムが建設された影響で、昭和62年に全線が廃線になりました。多くの高架線のうち45のコンクリートアーチ橋が存在するというから驚きです。
    撮影:西山芳一

    足尾線・第二渡良瀬川橋梁。現在は、わたらせ渓谷鐡道の橋梁として使用されています。大正元年竣工。足尾鉄道の中では最長の橋梁で全長は 105m。足尾町の歴史を物語っています。

    鉄道遺構・再発見

    開催期間:~11月21日(土)
    開催場所:LIXILギャラリー
    中央区京橋3-6-18
    開館時間:10時〜18時
    休:水
    入場無料
    www1.lixil.co.jp/gallery/exhibition/detail/d_003225.html