【台湾、もっと発見。】台北駅から30分、地下鉄で行ける北投温泉は都会のオアシス!

  • 写真:高山 剛
  • 文:Pen編集部

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地下鉄「新北投支線」新北投駅を降り、15分ほど歩いていくと到着するのが地熱谷。北投温泉の源泉のひとつで、硫黄の匂いが漂う「青硫」という酸性泉です。

Pen 2019年6/15号『台湾、発見。』号でも紹介した台中郊外の「星のやグーグァン」のオープンもあり、“温泉を楽しむ”というのが台湾旅行の目的としてクローズアップされつつあります。愛好家にはつとに知られてきた台湾各地の温泉ですが、初めて発見されたのは、台北郊外の北投(ベイトウ)温泉。1893年、ドイツの硫黄商人オーリーが「発見者」とされています。
そして日本による統治の始まった1896年、大阪からやってきた商人・平田源吾が「天狗庵」という温泉旅館を北投にオープン。当初は将軍や高級官僚のためのリゾートとして開発が進み、その後、一般大衆にも親しんでもらうべく、東アジアでいちばん大きな公衆浴場もつくられました。
その跡地にいま立っているのが、「北投温泉博物館」です。ここでは、温泉開発の歴史をはじめ、かつての公衆浴場の大浴場の再現スペースなど、さまざまな北投の魅力を体感できます。博物館は北投温泉親水公園の中にあり、すぐそばには美しい木造建築の「台北市立図書館北投分館」や、格安で楽しめる露天温泉(水着着用)も。少し歩けば屋台街やホテルもあり、歩いて、見て、食べて、ゆっくりしたければ温泉宿で泊まって、と多彩な楽しみが待っています。
「北投の強みは、まずアクセスのよさ。台北駅から地下鉄で30分余りという近さが魅力です。また、近隣住民の意識が高く、歴史のある温泉街ではありますが過度な商業化には陥っていません。土産物屋がずらりと並ぶ商店街もありませんし、大型バスも入れません。ロハスな暮らしを守っていくべく、みんなが知恵を出し合ってこの地の温泉文化を守ろうとしているのです」
北投温泉博物館館長の鍾兆佳さんは、そう語ってくれました。
地方に行く時間はないけれど……という旅人も、台北市街の喧噪を離れて地下鉄に30分揺られ、緑あふれる北投で、手軽に温泉気分を味わってみませんか?
もっと台湾を知りたくなった方は、Pen 2019年6/15号『台湾、発見。』号をぜひチェックください!

北投では、温泉が流れ出した川を目にすることができます。川沿いの遊歩道を散策するのもお薦め。

台北市立図書館北投分館。2014年には米CNNが選ぶ「世界で最も美しい図書館ベスト27」にランクイン。太陽光発電システムや雨水のリサイクルシステムを採用したエコ建築として注目の存在です。

北投温泉博物館。内部は靴を脱いで見学します。最上階に畳敷きの広い休憩所があり、吹き抜ける風が気持ちいいです。photo: ©Pen magazine 2019

北投温泉博物館

●台湾 台北市北投區中山路2號
TEL:+886-02-2893-9981
開館時間: 9時~17時
休館日:月、祝
https://hotspringmuseum.taipei