運動後のひと休み、どこまでがOK? 迷いながらのパークライフ【コロナと闘う世界の都市から】

  • 文:宮田華子

Share:

LONDONロンドン

運動後のひと休み、どこまでがOK? 迷いながらのパークライフ【コロナと闘う世界の都市から】

文:宮田華子

せっかくのお天気だからちょっと近くの公園まで――となるのは、どこの国でも同じこと。でもこれ、ひと休みしてるだけ? それとも寛いでいる? photograph by Hanako Miyata

2020年3月23日、事実上のロックダウンが宣言されたイギリス。政府の示した国民の行動ガイドラインによれば、ソーシャルディスタンスとして2mの距離を保った上での「生活上で必須の買い物」と、「1日1回の健康維持のための運動外出」はOK。しばらくは皆お行儀よくルールを守っていたのだが、4月の頭頃から問題が発生した。

きっかけは突然、天気がよくなってきたこと。人々が公園に殺到し、日光浴を始めたのだ。ここから「やっていいこと」「悪いこと」の線引きが曖昧だとの市民の声が高まり、イングランド警察は新たな指針を発表した。

それによると、運動のために公園に行くのは可。運動中の休息のために「一時的に」ベンチに座るのもOK。だが、のんびりするのが目的でベンチに座るのは不可。そこで議論を呼んでいるのが、「芝生に座るのはいいのか?」の解釈だ。
日光浴目的で公園に行くことは、保健大臣がきっぱり「ノー」と否定。となると、運動後の休息のために芝生に座るのはOKだが、のんびり座るのはNGとなる。上の写真の男性は、「ひと休み」ならOKなのだが、本を読んでいる時点でたぶんNGなのだ。

イギリス人は普段あまり人の目を気にしないが、今回ばかりは様子が異なるよう。公園が混む週末は、芝生の上で、遠目には座っているように見えるのだが「いやいやお尻つけてないです、あくまでも中腰でちょっと休んでるだけ」的なアピールをしている人もいて、なかなか興味深い。ルールの解釈には悩みつつも、やりすぎて公園の封鎖を招くことだけは避けたいのは皆同じ。迷いつつのパークライフは、もう少し続きそうだ。