深海に潜む巨大生物に会える! 特別展「深海 2017」で人類最後の未知なる領域へ。

  • 文・内山さつき

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深海生物の代表格とも言える、伝説の怪物“ダイオウイカ”。会場ではダイオウイカの標本と、ダイオウイカよりさらに大きいとも言われる“ダイオウホウズキイカ”の標本の一部も展示されます。

2013年に放映され話題となった、深海の巨大生物「ダイオウイカ」の映像を覚えていますか? 最大の記録では全長18mにも達し、「海の魔物」として恐れられてきた巨大なイカが生きて動いている映像は、衝撃をもたらすとともに奥深い生命の神秘を感じさせ、多くの人々が釘付けになりました。また同年夏には特別展「深海」が国立科学博物館で開催、60万人もの来場客を記録し、深海生物への関心が一気に高まるきっかけとなりました。

あれから4年、最新の研究成果をふまえた特別展「深海 2017~最深研究でせまる生命”と地球”~」が同館で開催中。深海に棲む生物の発光現象や、水深6000m以上の「超深海」と呼ばれる領域、ダイオウイカに代表される巨大生物、また海底に残された巨大災害の謎を解くカギや、新しい資源などに焦点を当て、最新の映像や実物、模型などでわかりやすく紹介しています。

地球上の海の容積の93%を占めると言われている深海は、暗く、冷たく、凄まじい水圧のかかる、想像を絶する世界。しかしそこには、これまで目にしたこともないユニークな生き物たちが棲み、地球深部の活動のメカニズムを知る手がかりとなる痕跡があり、私たちの新しい可能性を開いてくれる未知なる領域でもあるのです。会場では深海探査で活躍する、日本が世界に誇る最新機器も展示。深海研究の熱い最先端に触れることができます。

人類最後のフロンティアと言われる深海。その知られざる世界へ、あなたも足を踏み入れてみませんか?

「深海」とは、海洋生物学では植物が光合成できないほど光が弱くなる、水深200m以深の海のこと。深海では、生き物全体のおよそ9割が発光する能力を持つのだとか。“クロカムリクラゲ”は、傘の内側が黒く、発光する生き物を食べても光が外に漏れないようになっています。

最大体長50cmを超える世界最大の等脚類“ダイオウグソクムシ”。海底に沈んできた生物の死骸を食べています。鳥羽水族館で5年間絶食した記録を残した個体が話題を呼ぶなど、深海の人気者。

日本海は平均水深が1600m以上に達する深い海。深海にはまだ定義されていないたくさんの新種の生き物がいます。これらの巻貝の多くはリソツボ科の一種で、最近新種として報告されたばかり。

特別展「深海 2017~最深研究でせまる”生命”と”地球”~」

開催期間:〜10月1日(日)
開催場所:国立科学博物館
東京都台東区上野公園7-20
開館時間:9時~17時 ※ 金・土曜日は9時~20時 
※8月13日(日)~20日(日)は9時〜18時、18日(金)19日(土)は9時〜20時
※いずれも入館は各閉館時間の30分前まで 
休館日:9月4日(火)、11日(月)、19日(火)
入場料:一般・大学生¥1600ほか
http://shinkai2017.jp/