リヴァー・フェニックス最後の作品、『ダーク・ブラッド』がついに公開。

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    1993年に23歳の若さでこの世を去った、天才役者リヴァー・フェニックス。彼が死の直前まで関わっていた未完の映画が、この『ダーク・ブラッド』です。妻を亡くして以来、砂漠の荒れ地にひとり暮らす青年。愛を求めるも、そこには乾いた不毛の大地しかありません。そんな彼のもとに、”ハリウッド”から中年の夫婦が訪れることで、彼は愛と肉欲への狂気を暴走させてしまいます――。
    当時メガホンを取っていたジョルジュ・シュルイツァー監督は2007年、余命わずかと宣告されたことをきっかけに、彼のキャリアの最後の作品として未完のフィルムをつなぎあわせ、この作品を完成にこぎつけました。「4本足の椅子は、足が3本でもなんとか役割を果たす」と、未収録部分を静止画と自身のナレーションで丁寧につないでゆきました。そうして蘇った、絶頂期のリヴァー・フェニックスの姿には、思わず涙せずにはいられません。役者とは、一瞬にして消える光に似ています。この映画で彼が放つ光は、たとえ断片的であっても、強い感動を胸に刻みこむ力を失ってはいません。(Pen編集部)

    監督自らが奇跡的に保管していたフィルムを、権利問題や未撮影シーンの再現など、さまざまな壁を乗り越えて、2012年に作品として完成させました。ちょうど、リヴァーの没後20年となる2013年に映画祭で披露され、ベルリン国際映画祭ほか、世界各地の映画祭で喝采を浴びています。一般公開は今回の日本公開が世界最速となります。

    『ダーク・ブラッド』

    監督:ジョルジュ・シュルイツァー
    出演:リヴァー・フェニックス
    2012年 アメリカ・イギリス・オランダ映画 1時間26分
    配給:マジックアワー
    4月26日から、東京・ユーロスペースほか全国順次ロードショー