「ピクサー」のクリエイションを体験! 『PIXARのひみつ展 いのちを生みだすサイエンス』、アジア初の展覧会を見逃すな。

  • 文:はろるど

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エントランスは「パイプライン」と題し、ピクサーのアニメーション制作の8つの工程がパネルや映像によって紹介されています。

『ファインディング・ニモ』や『カーズ』などのCGアニメーション作品で世界的な人気を誇る「ピクサー」。生き生きとした表情のキャラクターによって繰り広げられる世界は、いったいどのようにつくられているのでしょうか?

六本木ヒルズ展望台 東京シティビューで開催中の『PIXARのひみつ展 いのちを生みだすサイエンス』では、アニメーションの制作工程を、実際に体験できるハンズオン展示として紹介しています。キャラクターの形をバーチャル3Dでつくり出す「モデリング」、CGで髪や服の質感を加工し、表現する「サーフェイス」、データを最終的な2Dの映像に変換する「レンダリング」……。特に面白いのは、キャラクターに演技を付ける「ストップモーション アニメーション」の工程です。ピクサーのオープニングムービーに登場するデスクランプの「ルクソーJr.」にポーズを付けて撮影をしながら、コマ撮りの短編アニメーションを誰もが簡単につくることができます。フィギュアを少しずつ動かして撮影を繰り返す作業は、意外と骨が折れるもの。「失敗した」と思ったら、ためらわずクリアボタンを押して何度でもチャレンジしましょう。そこには本展を企画したボストンサイエンスミュージアムの企画展運営マネジャー、ピーター・ガーランドによる、「クリエイティブな制作にはミスを恐れないことが重要だ」というピクサーから受けたメッセージが込められています。数多くの体験型展示を通して、世界中で老若男女に愛されるピクサーのクリエイションの内側を知ることができるのです。

この展覧会は2015年よりアメリカやカナダをはじめ、世界8カ所で150万人以上の入場者を記録した展示のアジア初の巡回展です。7月には『トイ・ストーリー4』の公開も控え、注目度が増すピクサー。そのクリエイションの現場を、東京を一望できる展望台で体験しましょう。

「ストップモーション アニメーション」のコーナー。まず左側の緑の円の上にデスクランプを置き、撮影ボタンを押して最初のフレームをつくります。そしてランプを少しづつ動かしながらオレンジ色の円の上に来るまで撮影を繰り返します。スムーズなアニメーションにするのに一苦労。photo:Harold

『Mr.インクレディブル』のシーンによるコマ送り体験コーナー。ハンドルを回転させるとクリップがゆっくり再生され、キャラクターの表情の動きをじっくりと観察できます。ピクサーの動画は、1秒間に24枚のフレームでつくられています。photo:Harold

「セット&カメラ」のコーナーは、『バグズ・ライフ』の虫たちが住むアント・アイランドが舞台です。スイッチを操作すると、地面すれすれにある虫の目カメラが上下に動いて4方向に回転し、セットの見え方を検証することができます。まるで虫の視点になって木を見ているような気持ちに。photo:Harold

サンゴ礁を背にした『ファインディング・ドリー』のドリー。「ライティング」では手前のスライダーとスイッチによって、照明の色や動きを調整したり、魚群のアニメーションの速度を変えたりできます。照明の色の変化により、昼夜の時間や水深が違って見えるのが印象的です。photo:Harold

『PIXARのひみつ展 いのちを生みだすサイエンス』

開催期間:2019年4月13日(土)~9月16日(月・祝)
開催場所:六本木ヒルズ展望台東京シティビュー
東京都港区六本木6-10-1
TEL:03-6406-6652
開館時間:10時~22時
※『六本木アートナイト2019』開催に伴い、5月25日(土)は翌6時まで
※入場は閉館の30分前まで
休館日:無休
入場料:一般¥1,800(税込)
https://www.tokyocityview.com/pixar-himitsu-ten