とんだ林 蘭が選ぶ、井上陽水楽曲のMY BEST 3──クラブ・ミュージック世代にも、陽水作品って新しい。

  • 文:杉本勝彦

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1位.氷の世界 (『氷の世界』収録)

2位.Make-up Shadow (『UNDER THE SUN』収録)

3位.Pi Po Pa (『ハンサムボーイ』収録)


2019年に発売された『井上陽水トリビュート』のアートディレクションを手がけた、とんだ林 蘭さん。あいみょんのCDジャケットのアートワークでも知られる、若い世代から絶大な人気を誇るアーティストも、幼少期から井上陽水に親しんできたひとりだ。

「音楽好きだった父の影響もあり、小学生の時にギターを始めたのですが、初めて練習した曲が『夢の中へ』でした。ギターはやめてしまったのですが、陽水さんの音楽は小さい頃から身近にありました」
トリビュート盤の仕事を受け、改めて聴き直して、衝撃だったのは「氷の世界」だ。
「曲調も歌詞もかっこよく、ただただ興奮しました。50周年ライブでも聴きましたが、往時の話や陽水さんの青春についてのトークがあって、当時この曲を歌うのは相当、勇気がいることだったんじゃないかと……」

とんだ林さんがトリビュート盤のデザインで試みたのは、レトロとモダンの新旧ミックスだ。サブスクリプションで陽水作品を聴く一方、一枚目のアルバム『断絶』はレコードを探したという。クラブ・ミュージックに親しむ若い世代の耳にも、井上陽水は新しい。
「知人のDJが『Pi Po Pa』をかけたところ、盛り上がりがすごかったです」

とんだ林 蘭●1987年、東京都生まれ。アートディレクターとしてCDジャケットやグッズを数多く手 がけるほか、ファッションブランドとのコラボレーションも多い。2019年にライフスタイルブランド「MAD FRUITS」を始動。

こちらの記事は、Pen 2020年5月1・15日合併号「【完全保存版】井上陽水が聴きたくて。」特集からの抜粋です。