石崎ひゅーいが選ぶ、井上陽水楽曲のMY BEST 3──誰かと遊ぶように音楽を生み続ける、その自由な姿に憧れを抱きます。

  • 文:杉本勝彦

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1位.長い坂の絵のフレーム (『九段』収録)

2位.5月の別れ (『UNDER THE SUN』収録)

3位.氷の世界 (『氷の世界』収録)


すべての作品から滲み出る井上陽水の人柄に憧れを抱く──と、自身の活動と重ね合わせながら話すのはシンガーソングライターの石崎ひゅーいさん。陽水の創作から感じるのは遊びのような自由さだという。

「僕はひとりでは音楽はできないし、続かないと思っていて、誰かがいてくれて初めて音楽が生まれるんです。だから活動を続けていく上で、人とのかかわりが大切だと常に思います。陽水さんは忌野清志郎さんや玉置浩二さん、奥田民生さんといった方々と素敵な作品をつくられていて、音楽を誰かとの遊びのように生み続けているように感じます。それは風のように自由に見えます」

高校1年生の時、石崎さんが初めて聴いた井上陽水の曲は「夢の中へ」。それは友人の家でだったが、陽水を掘り下げるきっかけになった「長い坂の絵のフレーム」も友人に薦められて知った一曲だという。

「ピアノとボーカルというシンプルな構成がとても叙情的で美しい。陽水さんのシニカルでいてユーモラスな言葉の選び方や、歌の浮遊している感じが好きです。孤独にそっと寄り添うような歌詞の世界と、深いリバーブがかかったサウンドがとても心地よく、ずっと聴いていたくなりますね」

石崎ひゅーい●1984年、茨城県生まれ。2012年にミニアルバム『第三惑星交響曲』でメジャーデビュー。菅田将暉に提供した「さよならエレジー」をはじめドラマやアニメの主題歌に多数の楽曲が 採用。5枚目シングル「パレード」が発売中。

こちらの記事は、Pen 2020年5月1・15日合併号「【完全保存版】井上陽水が聴きたくて。」特集からの抜粋です。