「もう泣きたい!」絵本の登場人物が抱える切実な悩み

「もう泣きたい!」絵本の登場人物が抱える切実な悩み

写真:青野 豊 文:Pen編集部

絵本の登場人物(ヒトでない場合もあり)にも、泣きたくなるお悩みがあるのでは? シリアスなものからユーモラスな作品まで、酷い目に遭うキャラクターたちの気持ちを慮ってみました。

『さいごのぞう』井上奈奈 絵・文 キーステージ21 2014年

『いろのかけらのしま』イ・ミョンエ 作・絵 生田美保 訳

人間の都合で、環境を変えないでほしいんです

森林伐採、ごみ問題、温暖化に密猟……。人間とはこの地球に害悪を垂れ流すだけの存在なのでは? と心を痛める人も多いだろう。生きものたちの気持ちになってみよう。ビジュアルで感情に訴えかける絵本は、鈍くなった想像力に油を差してくれる。

『さいごのぞう』は、ぞうの居場所がなくなった世界の悲しさ・恐ろしさを詩的に描いたもの。作者があとがきで「『用』を担った作品」と述べる通り、売上の一部が「トラ・ゾウ保護基金」に寄付され、動物保護のメッセージを明確に打ち出す。

『いろのかけらのしま』は、さまざまな「いろ」が押し寄せる島の話。「いろ」の正体は……。その謎が解けた時の衝撃。いずれの悩みも、解決できるのは人間だけだ。

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