各界で活躍する方々に、それぞれのオンとオフ、よい時間の過ごし方などについて聞く連載「MY Relax Time」。第30回は、「J-WAVE TOKYO MORNING RADIO」のパーソナリティとしてもおなじみの俳優の別所哲也さん。映画や舞台に出演する傍ら、今年で開催23回目を迎える国際短編映画祭「ショートショート フィルムフェスティバル ＆ アジア (SSFF & ASIA)」の代表としても活躍されています。

写真：殿村誠士　構成：和田達彦　スタイリング：千葉良(AVGVST)　ヘア：森川英展（NOV）

ショートフィルムは、短い上映時間の中でも忘れられないシーンがあったり、映画的な旅を体験できたりといった、映画の魅力が凝縮されている点が魅力です。ハリウッドデビューした後、日本とアメリカを行き来する生活をしている間にショートフィルムに出合って、その魅力を日本でもお祭りという形で紹介したいと思ったのが1998年。アメリカと日本で会社を立ち上げる他、実行委員会の設立、行政への申請など、まったくのゼロからのスタートだったので大変でした。映画祭も今年で23回目を迎えましたが、毎年新しいテーマを設定したり、応募規定を見直したりと、やることは満載。特に今年はコロナ禍とあってオンライン開催を導入したため、世界中の人とどうやってつながるか、またお祭りの本質とはなにかについて改めて話し合って準備を進めました。大変ですがとてもやりがいがあって、もはや僕のライフワークですね。

以前は、まとまった休みがあると、妻の実家があるロスを含め、海外に旅行に行ったり、国内では温泉などに行って非日常を味わっていました。しかしコロナ禍以降はそれができないので、休日は自宅で家族とゆっくり過ごすことが多いですね。その代わり、家の中でも非日常を体験できるようにいろいろ工夫をしています。たとえば去年はキャンプ用のチェアなどのアウトドアグッズを買い、それを使って自宅のガレージでぼーっと過ごしたりしていました。今年はハンモックを買ったので、バルコニーに吊ってよく昼寝しています。そのほかにも、天井に星を映し出せるプロジェクターで娘とプラネタリウムを楽しんだり、入浴剤をいろいろ試してお風呂タイムを充実させたり。そうやって自宅でもリラックスできるようにしています。

僕のロケ先での僕の気分転換法のひとつは、昔ながらの喫茶店を探していくこと。あの昭和な雰囲気が好きなんですが、そういう個人経営の喫茶店はまだ喫煙OKのところも多い。僕自身は喫煙者ではないのですが、煙はあまり気にならないし、それもひとつのカルチャーだと思う。世の中には、世間的には必需品ではないかもしれないけれど、その人にとってはかけがえのないものがあって、嗜好品やエンターテイメントがそれにあたると思います。燻す、燻らすといった煙を立てる行為は、他の動物にない人間ならではのもの。最近は加熱式たばこも登場していますが、こういうハイテクな進化の仕方はすごいなと感心します。たばこにはそこまでしたくなるなにかがあるんだろうし、その本質ってなんだろうと気になる。個人的には喫煙の是非より、そういった点につい関心をもってしまいますね。