役者と本音で語り合える、
休憩中のコミュニケーション

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    02山下敦弘映画監督

    役者と本音で語り合える、
    休憩中のコミュニケーション

    各界で活躍する方々に、それぞれのオンとオフ、リラックス法などについて聞く連載「MY Relax Time」。第2回は、2018年秋に新作映画『ハード・コア』が公開予定の映画監督、山下敦弘さん。近年は映画以外にTVドラマやCMなどの映像制作でも活躍する山下さんに、いまの心境やリラックス法などについて語ってもらいました。

    写真:殿村誠士 構成:和田達彦

    山下敦弘(のぶひろ)●1976年愛知県生まれ。99年『どんてん生活』で監督デビュー。2007年『天然コケッコー』で第32回報知映画賞・最優秀監督賞を最年少で受賞。近作に『味園ユニバース』『ぼくのおじさん』など。最新作『ハード・コア』が今秋公開予定。

    僕はここ10年ぐらい、依頼された仕事が多くなっていて、人の企画だったり、原作に自分がどう対応していくか、どう自分に寄せるかという仕事が中心になっていました。だからいまは、「自分からなにか出てこないかな」ということを考えていますね。なんでも吸収しようと思って、CMやPVなど映像に関してはいろいろやったけれど、だからこそいま、落ち着いてちゃんと映画をやりたいなと思っています。僕のなかには「人間って面白いな」という思いがずっとあります。映画監督となったきっかけも、自分が見て面白いと思える人を描いた映画をつくったら、笑ってもらえて世間に受け入れられたというのがある。だからそこに立ち返って、コレっていう映画をつくりたいですね。

    半年ほど前まではバタバタしていたんですが、それが一段落していまは比較的のんびりしています。僕はまったくの無趣味なので、休みになるとずっと家でダラダラしてしまう。だから先日、無理矢理モンゴルに行ってきました。学生時代の友達と男3人で飲んでいてそういう話になり、酔っぱらった勢いで「行こっか」となって。僕は20歳頃から長編映画を撮りだして、もう人生の半分ぐらいが監督になっちゃった。昔は都合のいい時だけ監督みたいな、何者でもない強みで好き勝手に勢いでできたけれど、いまはいい加減にはできないという変なプレッシャーがある。だから「とにかくなにもない、自分が何者でもない場所」に行きたくなったのかも。思えば仕事以外の、目的がない旅ってしたことがなかったんですが、楽しかったです。

    僕はたばこを吸うので、海外に行って飛行機から降りるとまず喫煙所を探しちゃいますね。ドバイに行った時はアラブの白い民族衣装の人たちに交じって吸いましたが、この空気感はどこも一緒だなと思って面白かった。映画の撮影中は、さすがに本番中は吸いませんが、僕の現場は喫煙休憩が多めかも。休憩中に喫煙所で役者と話していると、役作りについて「こう思うんですよね」とかぼそっと本音を言ってくれたりして、「それいいね」となることもあります。現場で周りに大勢のスタッフがいるなかでガンガン意見をやりとりするよりも、二人きりでたばこを吸って落ち着いている状況のほうが、腹を割って話せることもあるんですよね。

    左:『味園ユニバース』
    監督:山下敦弘
    出演:渋谷すばる、二階堂ふみほか
    2015年 日本映画 1時間43分

    右:『ハード・コア』
    監督:山下敦弘
    出演:山田孝之、佐藤健、荒川良々 ほか
    2018年 日本映画 2時間4分

    問い合わせ先/JT

    www.jti.co.jp