仕掛け人はMIKA! コロナで“時が止まった”パリの街にポスターで元気を。

  • 文:髙田昌枝(パリ支局長)

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PARISパリ

仕掛け人はMIKA! コロナで“時が止まった”パリの街にポスターで元気を。

文:髙田昌枝(パリ支局長)

カルチャーの新作ポスターの代わりに、MIKAの発案で9人のアーティストがポスターを製作。広告塔を管理するJCデコーとパリ市の協力で、シャンゼリゼをはじめ、市内のあちこちのコロンヌ・モリスをポスターが彩った。photo: © JCDecaux

コロナ禍による初めてのロックダウンから丸1年を迎えた、3月のパリ。いつもなら、展覧会や新作映画、演劇のポスターがパリの街角に彩りを添えるのだが、映画館、美術館や劇場といった文化施設は、2度のロックダウンの間に4カ月ほど扉を開けただけ。10月末からまたもや閉館を余儀なくされ、当然、新作を告げるポスターもない状況だ。

そこで立ち上がったのが、カラフルな衣装と陽気な人柄でパリでも大人気のシンガー、MIKA(ミーカ)。街に色彩を与え、カルチャーの火を灯そうと、装飾博物館のディレクターの協力を得てアーティストにポスターを依頼。ウーゴ・ガットーニ、アレクサンドル・バンジャマン・ナヴェら9人のアーティストの作品に加え、MIKA自身も姉のヤスミン・ペニマンとともに『STAY HIGH』を製作した。

舞台は、ベルエポック様式でパリのシンボルともなっているコロンヌ・モリスをはじめ、カルチャーに特化した街の広告スペース。ベルエポック時代のトゥールーズ=ロートレックやミュシャの伝統を彷彿させるポスターは、カルチャーを奪われたパリの街とパリジャンに元気を与えている。