フィンランドのサウナ文化を気軽に体験! ヘルシンキで話題の「ロウリュ」。

  • 撮影・文:内山さつき

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海岸地区にオープンした公共サウナ「ロウリュ」は、木を組み合わせ、景観に配慮したデザイン。

フィンランド人といえば、自他ともに認める「サウナ好き」の人々。およそ540万人の人口に対して、330万個のサウナがあると言われ、国会議事堂にも併設されているほど。そんなサウナに情熱をかける国、フィンランドの若者たちが、みな「行きたい」と口を揃える話題のデザイン・サウナ「Löyly(ロウリュ)」が、昨年春、ヘルシンキの海岸地区にオープンしました。「ロウリュ」とは、熱したサウナストーンに水をかけたときに発生する蒸気のこと。この蒸気によって湿度と温度が上がり、発汗作用をうながす、サウナの醍醐味とも言えるものです。

デザイン・サウナ「ロウリュ」には通常のウッドサウナに加え、伝統的なスモークサウナも設けられているのが大きなポイント。スモークサウナは、ウッドサウナでは薪を焚く際に煙突から屋外に逃している煙を、サウナが完全に温まるまで室内に留め、それから煙を排出して使用する手間ひまとテクニックが必要なもの。そのため都市部ではほとんど姿を消してしまい、ヘルシンキ市内で楽しめるのはここだけです。この「キング・オブ・サウナ」とも言われる昔ながらのスモークサウナを、観光客でも気軽に立ち寄れるお洒落な場所で体験できるようになりました。

壁が煤けた薄暗いスモークサウナは、ウッドサウナに比べて熱気がまろやかに感じます。「ヴィヒタ」と呼ばれる白樺の枝葉を束ねたものを、体にはたくのもスモークサウナの楽しみ。水につけたヴィヒタをパタパタと体に打ち付けるのは、血行促進に効くのだとか。煤の香りと冷たい水を含んだ葉の肌触りが、なんとも心地よくくせになります。

サウナを満喫したら、併設されているカフェレストランでのんびり一息。ヘルシンキの海辺の風景を楽しみながら、お酒やおいしいフィンランド料理を味わってください。

フィンランドに行くのなら、一度は体験してみたいサウナ文化。老若男女問わず、ともに汗をかき、身体が温まったら、海風に吹かれてさわやかな空気で深呼吸。これまでとはまた違った、フィンランドの魅力に触れることができるかもしれません。



協力:フィンエアー http://www.finnair.co.jp/

Visit Finland(フィンランド政府観光局) http://www.visitfinland.com/ja/

海に面したウッドテラスからはヘルシンキ市内が望めます。泳ぎに自信のある人は、強者に混じってサウナで温まったあと、海で泳ぐことも。

サウナのロッカー・ルーム。ロッカー・ルームとシャワーは男女別。サウナスペースは男女共用なので、水着を忘れずに。レンタルすることもできます。

入り口にあるお洒落なカフェレストラン。週末や休日は地元の人たちで賑わいます。サウナには人数制限があるので、HPからあらかじめ予約を。

テラスから見える、海の風景。テラスは海の上に張り出しているので、足元から波の音も聞こえます。

ロウリュ

Hernesaarenranta 4 Helsinki
営業時間:サウナは16時〜22時(月)、13時〜22時(火曜~木曜)、13時〜23時(金曜、土曜)、
13時〜22時(日曜)※木曜、土曜はモーニングサウナが7時30分〜9時30分にあり
レストランは10時〜24時(月曜~木曜)、10時〜26時(金曜)、9時〜26時(土曜)、9時〜22時(日曜)
入場料:サウナは一般19ユーロ(2時間制・タオル、シート・ライナー含む)http://www.loylyhelsinki.fi/en/