火星の生命体との戦いを描く、SFパニック・スリラー『ライフ』がいよいよ公開!

  • 文:細谷美香

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実寸大で造ったという国際宇宙ステーションのセットで、役者たちが重力を感じさせない見事な動きを見せています。

世界各国から集った6人の宇宙飛行士を乗せた国際宇宙ステーション。火星から帰還した無人探査機が採取した未知の生命体を回収した彼らは、船内で調査を始める――。密閉された空間に謎の生命体と聞けば思い出すのが『エイリアン』。そして、無重力空間でのサバイバルといえば『ゼロ・グラビティ』。ジェイク・ギレンホール、ライアン・レイノルズ、レベッカ・ファーガソン、真田広之ら名前を聞くだけで期待が高まるキャストが集い、定番の設定をアップデートした『ライフ』が公開されます。


今年は哲学的で静謐なSF映画『メッセージ』も公開されていますが、『ライフ』はラストまで手に汗握るSFパニック・スリラー。細胞だった謎の生命体はすぐに成長し、『寄生獣』のミギーをちびっこにしたような初期の形態はなかなかキュートです。指にからみついてくる様子も、何だかぺこりとあいさつをしているよう。地球の子どもたちが名付けたカルビン君、なかなか友好的じゃないですか! ……と油断していたら、いきなりものすごい力でひとりの宇宙飛行士の腕を締め付けて砕き出し、とんでもない凶暴性を発揮し始めるのです。


このエイリアン、イカ、タコと仲良しの日本人にはおなじみの造形ではありますが、意外なほど動きが俊敏で成長が異常に速い。人間を食料にする生き物と一緒に閉鎖された空間に閉じ込められ、しかも地球には絶対に侵入させてはいけないというミッションを背負った彼らは、まさに逃げ場なし。キャストが全員魅力的なだけに、あの手この手で体内にまで侵入してくるやんちゃなカルビン君におののきながら、次にやられるのは誰なんだ!? とハラハラしてしまいました。


宇宙ステーションのセットがとても緻密で、無重力状態で作業する様子も、役者たちがワイヤーで吊られながら演技をしていたとは信じられないくらいに自然。だからこそときに衝突しながらもサバイバルするドラマや、謎の生命体と戦う恐怖がいちいちリアルに迫ってきます。『メッセージ』は難民や移民が多く存在する現代に、“異星人”という他者とのコミュニケーションや共存を描き出したSFでしたが、果たして『ライフ』のラストは……。ぜひ映画館でショックを受けてください!

国際的なキャストが揃うなか、日本からは真田広之が参加。地球に残してきた家族とのドラマも描かれます。

話題作への出演が続くライアン・レイノルズ。その出演作のひとつである『デッドプール』の脚本家コンビ、レット・リース&ポール・ワーニックが本作でも脚本を手がけています。

『ライフ』

原題/Life
監督/ダニエル・エスピノーサ
出演/ジェイク・ギレンホール、ライアン・レイノルズ、レベッカ・ファーガソン、真田広之、アリヨン・バカレ、オルガ・ディホヴィチナヤほか
2017年 アメリカ映画 1時間44分
配給/ソニー・ピクチャーズ
7月8日より丸の内ピカデリーほかにて公開。
www.life-official.jp