13トン級の実機が目の前に! 企画展『工事中!』で、ダイナミックな重機に圧倒。

  • 文:はろるど

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重機が置かれた展示室は工事用のフェンスや足場に囲まれ、さながら工事現場のようです。

油圧ショベルやブルドーザ、ダンプカー……。街中の工事現場で見かける巨大な重機に、憧れを抱いていた人も多いでしょう。乗ることはおろか、普段は間近で見ることすらできないこれらの重機が、展覧会の主役になりました! 日本科学未来館で行われている『企画展「工事中!」~立ち入り禁止!?重機の現場~』では、最大で13トン級までの重機を10台も展示。整地や建設、解体などの工程に沿って、掘る、ならす、運ぶなど、各重機の役割をわかりやすく紹介しています。

最初に驚かされるのは、重機の正確な動きです。たとえば2本の腕を自在に動かす最新の「四脚クローラ方式双腕型コンセプトマシン」は、片方の腕で虫取り網を持ち、もうひとつの腕でサッカーボールをつかみ、網の中へ簡単にポンと投げ入れる映像を上映。その間、わずか十数秒。「これほど軽快に動けるとは!」と驚いてしまいます。展示されている実機は現行モデルが中心ですが、1961年に登場し「未来技術遺産」にも選ばれている油圧ショベル「ユンボY-35」など、街づくりの支えとなった歴史ある重機も一部置かれています。

いちばん楽しいのは、自由にミニ油圧ショベルやホイールローダに乗ることができる体験乗車コーナーでしょう。クレーンの運転台は想像以上に広く、重機のスケールを体感できます。さらに、作業員の仕事や安全対策から、ドローンや遠隔操作などの新技術、2020年の東京オリンピックに向けて工事が進む新国立競技場の建設現場の映像なども紹介。いま、工事現場でなにが行われているのかがよくわかります。

普段、安全のためにフェンスに覆われた工事現場は中が見えず、素通りしてしまいがちですが、この展覧会を見たら、そうはいかないはず。土木・建築技術への関心が高まるばかりか、現場で働く人々の情熱に胸が熱くなるはずです。

油圧ショベル ユンボY-35(キャタピラー)。 東京オリンピックが行われる3年前、1961年に登場した国産初の油圧ショベル。高速道路や新幹線のインフラ工事、ビルやダムの建設現場で活躍しました。科学技術の発展に成果を上げたことを理由に、「未来技術遺産」に選ばれています。

四脚クローラ方式双腕型コンセプトマシン(日立建機)。 2018年に発表された最新モデル。2本の腕を自在に使い、物をつかんだり、切ったりすることができます。本機の旧モデルは、土木現場や解体作業で高い作業効率をみせ、東日本大震災の被災地の復興作業にも従事しました。

2台の油圧ショベルが並んでいます。アームの先のアタッチメントを替えることで、掘ることはもちろん、切ったり、砕いたりする作業もでき、「工事現場の万能選手」とも呼ばれます。会場内は一部を除き、自由に撮影が可能です。photo: Harold

『企画展「工事中!」~立ち入り禁止!?重機の現場~』

開催期間:2019年2月8日(金)~5月19日(日)
開催場所:日本科学未来館
東京都江東区青海2-3-6
TEL:03-5777-8600(ハローダイヤル)
開館時間:10時~17時 ※入場は閉館の30分前まで
休館日:火(3月26日、4月2日、4月30日は開館)
入場料:19歳以上¥1,600(税込)
https://kojichu2019.jp