イリノイ発、日本庭園に伝統工芸・文化が集う夏祭り「ジャパニーズサマーフェスティバル」とは?

  • 文:久保寺潤子

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© Jeff Threewitt 12エーカー(東京ドーム約1個分)もの広大な敷地に手入れの行き届いた日本庭園が広がります。日本の企業と取引のあった事業家ジョン・アンダーソンが日本文化に惚れ込み、1978年にガーデンを設立。2011年から息子のデイヴィド・アンダーソンがガーデンの経営を担い、「ジャパニーズ・サマー・フェスティバル」を毎夏企画しています。

毎夏、アメリカ・イリノイ州ロックフォードにあるアンダーソン日本庭園では、日本の伝統文化芸術を紹介する「ジャパニーズサマーフェスティバル」が開催されます。アンダーソン庭園はフロリダの森上庭園やオレゴンのポートランド・ガーデンと並び、アメリカにおける屈指の日本庭園として高い評価を得ています。2011年にスタートし、今年で6年目を迎えるこのイベントは地元の人々に対する日本文化啓蒙活動の一環として始まりましたが、いまでは州外からも多くの日本ファンを引きつけるイベントへと成長。昨年新たな試みとして、京都と鹿児島から認定伝統工芸士を招いたデモンストレーションを開催したところ、7,500人の来場者数を記録しました。桂離宮で使われている竹垣を制作する京都の真下彰広氏、ミクロ単位で小さなボタンに絵付けをする薩摩ボタン職人・室田志保氏らのデモンストレーションは日本でもなかなか見る機会のない貴重なものとして、会場を大いに賑わせました。

2017年はさらに日本からユニークな伝統芸能集団が参加予定。来年創立50周年を迎える日本吟剣詩舞振興会の中から10名の若者たちが剣舞を披露するほか、国内外で人気の太鼓パフォーマンス集団、法悦太鼓グループらも出演が予定されています。ほかにも会場内では盆栽の展示、生花や茶席、鷹匠、薩摩ボタンなど各種デモンストレーションを開催。アニメやマンガだけでなく、幅広く日本の伝統文化を伝えるきっかけとなるこのイベントに期待が高まります。


© Shingo Yamazaki 昨年好評だった京都の伝統工芸士によるデモンストレーション。手前は石工の齋田隆朗氏、奥は竹工芸士の真下彰広氏。

©Jeff Threewitt  「庭園は人と自然がつながることのできる癒しの場所です。訪れた人にはゆったりと周囲の自然を愛で、耳を澄まし、匂いをかぎ、五感を使って楽しんでもらいたい」と語るデイヴィッド・アンダーソン代表。

Japanese Summer Festival

開催日:2017年8月19日(土)、20日(日)
開催場所:アンダーソン日本庭園
318 Spring Creek Road, Rockford IL 61107
http://www.andersongardens.org/
問い合わせ先:http://www.andersongardens.org/contact/