イタリアで大ヒット! 天才学者たちが繰り広げる、コメディシリーズの1作...

イタリアで大ヒット! 天才学者たちが繰り広げる、コメディシリーズの1作目『いつだってやめられる 7人の危ない教授たち』は必見です。

文:細谷美香

1作目の『いつだってやめられる 7人の危ない教授たち』より。優れた頭脳と才能を武器に繰り広げる科学者たちの展開に、目が離せません。©2014 Fandango - Ascent Film Srl

『君の名前で僕を呼んで』でイタリア人監督、ルカ・グァダニーノが注目を集めたことも記憶に新しい今年。またまたイタリアから話題作が上陸しました。それが、天才学者たちが織りなすコメディ『いつだってやめられる~』シリーズ。短編映画でキャリアを積んだシドニー・シビリア監督の初の長編3部作で、日本では2作目の『いつだってやめられる  10人の怒れる教授たち』から5月下旬に公開がスタートし、既に大好評! そして6月30日から前日譚である第1作『いつだってやめられる 7人の危ない教授たち』が公開され、人気のほどを見せつけています。

シリーズの主人公は、神経生物学者のピエトロ。大学での職を追われ、新しいドラッグ開発を思いつきます。自分と同じように優れた頭脳を活かせずにくすぶっている仲間を集めて開発に取り組んだところ、ドラッグは大ヒット。巨額の富を手に入れたものの、ドラッグ市場を仕切るボスににらまれ……。

ヨーロッパにも「2位じゃダメなんですか」と発言した政治家がいたかいないかはさておき、この映画の背景には大学の研究費削減によって、海外への頭脳の流出を止められなくなったイタリアの現状があると言います。イタリア社会への不満を表現するために、監督が選んだジャンルは風刺コメディ。とぼけた笑いが顔を出すセリフの応酬と、キャラ立ちした登場人物が絡んでいくスピーディな展開は、まさにイタリア版『ブレイキング・バッド』! 

ちなみに1作目、2作目ともにノンストップの面白さは共通。ときに変人、ときにドジなおじさん、しかし実はすごい頭脳をもつ男たちが才能を発揮して問題を解決していく痛快さはそのままに、2作目ではカーチェイスや列車でのアクションシーンも加わります。

職種や立場は違っても、彼らが感じる“誰かに必要とされることの喜び”に、共感する人も多いのではないでしょうか。完結編となる第3作目『いつだってやめられる−名誉学位』の公開が早くも待ち遠しいイタリア映画です。

1作目のワンシーンより。写真右側の男性、『おとなの事情』などで知られている俳優エドアルド・レオが主人公を演じました。©2014 Fandango - Ascent Film Srl

こちらも1作目のワンシーン。さまざまなスキルをもつスペシャリストたちが繰り広げる抱腹絶倒の展開に、目が離せません。©2014 Fandango - Ascent Film Srl

『いつだってやめられる 7人の危ない教授たち』
監督:シドニー・シビリア
出演:エドアルド・レオ、ステファノ・フレージ、ヴァレリア・ソラリーノほか
2014年 イタリア 1時間45分 
ヒューマントラストシネマ有楽町ほかにて公開中。
※2作目の『いつだってやめられる 10人の怒れる教授たち』も全国の映画館にて公開中(Bunkamuraル・シネマでの公開は7月1日まで)

http://www.pan-dora.co.jp/vivaitaly4/#itsudatte

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