創業280年の京都の老舗帯匠が、ベネツィアのガラスアーティストとコラボ...

創業280年の京都の老舗帯匠が、ベネツィアのガラスアーティストとコラボ! 美の競演をご覧あれ。

文:久保寺潤子

以下はすべて展示作品。奥:能衣装から着想を得た帯。誉田屋源兵衛「鍋島能衣松藤文」(2005年)。手前:ゴールドとブラウンのコントラストが印象的なガラス作品。ラウラ・デ・サンティラーナ『AMBER CUT』(2009年)。

京都・室町に江戸時代から続く帯匠「誉田屋源兵衛(こんだやげんべえ)」。十代目を襲名した山口源兵衛は帯だけでなく、日本文化としての素材でもある紙布、大麻布なども制作しています。孔雀の羽を織り上げた帯や、螺鈿や宝石を施した帯、さらには糸や染めの素材づくりそのものから取り組んだ作品は、国内のみならず、世界のテキスタイル界でも評価が高く、ロンドンのヴィクトリア&アルバート博物館でもパーマネントコレクションとして展示されています。

高い芸術性を誇る源兵衛の作品は、さまざまなアーティストとのコラボレーションでも話題を呼んできました。今回は、誉田屋280周年とIppodo New York開廊10周年を記念して、ベネツィアのガラスアーティスト、ラウラ・デ・サンティラーナとの展覧会「誉田屋源兵衛×ラウラ・デ・サンティラーナ 『月をこそ…』」を2018年10月6日から京都の誉田屋源兵衛 本店で、10月12日から東京の銀座一穂堂でも開催します。

日本文化に深く傾倒し、平面的な作品がその真骨頂ともいえるラウラのガラスアートですが、本展では金箔や銀箔を使った『Moon』シリーズ、チェコで創作した『Bamboo』がお披露目されます。対する源兵衛は、これまで貯めてきた貴重な古箔を贅沢に使って織り上げた帯など、渾身の作品を披露。光を通すガラスと、光を受けて輝くテキスタイル。相反する素材でできた珠玉の作品たちが不思議な調和を奏でます。

「月をこそをながめなれしか 星の夜の 深きあわれを こよひ 知りぬる」。平安時代の建礼門院右京大夫の詩をテーマに繰り広げられる、幻想とロマンに満ちた美の世界に浸ってみませんか?

絹糸に孔雀の羽根を織り込んだ帯は、光を受けて怪しく輝きます。誉田屋源兵衛「孔雀羽根織」(2008年)。

約130年前の貴重な箔を使い、中国・宋の時代の水墨画を元に、躍動感あふれる鯉の姿を表現しています。誉田屋源兵衛「跳鯉」(2011年)。

静謐で存在感のあるラウラのガラス作品は、日本の美意識にも通じます。ラウラ・デ・サンティラーナ『AMBER CUT』(2009年)。

深いブルーとシルバーとのコントラストが幻想的。平板型のガラス表現はラウラの真骨頂です。ラウラ・デ・サンティラーナ『BLUE SQUARE (MOON AND STARS)』(2017年)。

Ippodo New York 10周年・誉田屋源兵衛280周年特別記念展
「誉田屋源兵衛×ラウラ・デ・サンティラーナ 『月をこそ…』」

【京都】
開催期間:2018年10月6日(土)〜10月8日(月)
開催場所:誉田屋源兵衛 本社
京都府京都市中央区室町通三条下ル西側
営業時間:11時〜19時(10月6日、7日) 11時〜18時(10月8日)

【東京】
開催期間:2018日10月12日(金)~ 10月20日(土)
開催場所:銀座一穂堂
東京都中央区銀座1-8-17 伊勢伊ビル3F 
開廊時間:11時~19時
休廊日:月

問い合わせ先:銀座一穂堂 
TEL:03-5159-0599

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