『星の王子さまと旅する宇宙』展で、忙しい大人にこそ響く「大切なことば」を探してみませんか?

  • 文:幕田けいた

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王子さまのフィギュアと一緒に記念撮影できるフォトスポット。

「心で見なくちゃ、ものごとはよく見えない。かんじんなことは、目に見えないんだよ」。作家サン=テグジュペリの代表作『星の王子さま』に登場するキツネが、王子さまに語ったセリフです。いまではよく知られたセリフですが、改めて聞くと、深いことばですよね。

2018年7月で4周年を迎えた、東京ドームシティ内「黄色いビル」6階にある「宇宙ミュージアムTeNQ(テンキュー)」が、「星の王子さまミュージアム 箱根サン=テグジュペリ」とコラボレーション。『星の王子さまミュージアム×TeNQ 星の王子さまと旅する宇宙』と題した特別企画展が、2018年11月4日まで開催中です。

6つの章に分けられた展示では、作中に登場する「大切なことば」をパネルや映像でたどっていきます。TeNQとのコラボならではの展示であるChapter 5「『星の王子さま』と本当の宇宙」では、作品を宇宙という視点で眺めていきます。たとえば、王子さまの星のように活火山のある星が存在するという解説など……。この夏、夜空を見上げるのが楽しくなりそうな内容です。ちなみに、本展の科学監修は国立天文台が行っています。

しかし、なんといっても注目は、やはりサン=テグジュペリが語る「ことば」でしょう。彼は、第二次世界大戦でフランスがナチス・ドイツに占領されたことをきっかけにアメリカに亡命しますが、その際に感じた孤独をもとに書かれたのが『星の王子さま』だといわれています。パイロットだった彼は、婚約が破綻したり、リビア砂漠に墜落して生還したりしていますが、その苦節を乗り越えてきた経験が物語にも大きく反映されているようです。

『星の王子さま』は確かに童話ともいえますが、せわしない生活のサイクルに巻き込まれている現代の大人たちこそ見直したくなる「ことば」がちりばめられています。「みんなは、特急列車に乗りこむけど、いまではもう、なにをさがしてるのか、わからなくなってる」。こんなセリフを王子さまに言われたら、返すことばに詰まってしまいますよね。なにも考えたくなくなるような猛暑が続きますが、そんな時こそ本展で、自分の「大切なことば」を探してみてはいかがでしょうか。

Chapter2「王子さまが旅した星のおとなたち」。王子さまが出会う大人たちは、子どもには理解できないことばかり言います。でも本当は、自分たちですら、なにを話しているのかわかっていないのかもしれません……。

Chapter 3「王子さまと名言集」。童話ながら、王子さまのセリフは、大人の心にも突き刺さります。サン=テグジュペリの「ことば」には思わず唸ってしまいます。

TeNQ4周年特別企画展 『星の王子さまミュージアム×TeNQ 星の王子さまと旅する宇宙』

開催期間:2018年7月4日(水)~11月4日(日)
開催場所:宇宙ミュージアムTeNQ 企画展示室
東京都文京区後楽1-3-61 黄色いビル 6F
開館時間:11時~21時(月~金)10時~21時(土、日、祝、特定日)※最終入館は20時まで ※7月30日~8月31日は10時~21時
会期中無休
料金:一般当日¥1,800(税込)他 ※TeNQ入館料に含む
www.tokyo-dome.co.jp/tenq/

※会期中、星の王子さま関連グッズが当たる「星の王子さまと旅する星座スタンプラリー」を館内で実施