変化した大滝詠一の歌声に注目! ceroの髙城晶平が選んだ「クルーナー・ボイス」を堪能する一曲。

  • 文:松永尚久

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髙城晶平●ceroのボーカル、ギター、フルート担当。2019年よりソロプロジェクト “Shohei Takagi Parallela Botanica”を始動。20年4月8日にファースト・アルバム『Triptych』をリリースする。ソロではDJ、文筆など多岐にわたって活動している。

2015年のアルバム『Obscure Ride』においてブラック・ミュージックを独自の解釈で追求したサウンドを展開し、シティポップ再評価のきっかけになったともいわれるcero。彼らも、大滝詠一のサウンドに多大な影響を受けているという。J-WAVE「STEP ONE」の特別番組「Pen TALK ABOUT EIICHI OHTAKI」に、フロントマンである髙城晶平が本日3月24日(水)に出演。自らの大滝像を語ってくれた。

「僕にとって大滝さんは、ミュージシャンというより研究者という印象。自分の身体を使って、ポップスという音楽やレコードという複製技術をなぞり直すことを、ずっと続けてこられた方なのかなと。その経過報告を、レコードなどを通して世に残されたのではないかと思います」。髙城は、大滝が世に残した音楽は受け継がれ、現代のシティポップ再評価の礎になったのではないかと分析する。「でも、大滝さんにとってはごく個人的な研究・興味・欲望をただカタチにしたいという純粋な気持ちだけだったのではないのかなと思うんです。そういう姿勢に、僕はシンパシーを感じると同時にとても憧れます」

髙城が選んだ「青空のように」は、大滝の「声」の研究者としての魅力を感じる一曲だという。「はっぴいえんどではシャウター、いわゆる"がなって歌う"ロックなボーカルだったのですが、ある時から"クルーナー・ボイス"と呼ばれる静かに朗々と歌うスタイルに変化した。そういう変化からも研究者らしい側面が窺えるというか。歌うスタイルをガラッと変えてしまうところが、いいなぁと思う。この楽曲は、クルーナー・ボイスを堪能できる曲ですね」


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大滝詠一の『ロング・バケイション』は今年で発売から40年。時代を超えて愛される名盤は、いかにして誕生したのか。同時代を疾走した盟友、関係者の証言をもとに、希代のシンガーのこだわりと素顔を追う。またその魂を継承し、音楽シーンを盛り上げる才能にも注目。永い休暇を経て再び光を放つ、語り継ぐべき僕らの文化遺産。鳴り止まない〝永遠の夏〞を、いまこそ聴き尽くそう!

「STEP ONE」「Pen TALK ABOUT EIICHI OHTAKI」

放送日時:2021年3月15日(月)~3月25日(木)の月曜~木曜 11時20分~11時30分頃
内容:Pen 4/1号『大滝詠一に恋をして。』とコラボレーション。
毎回、スペシャルゲストが登場し、大滝詠一のお気に入りの1曲を紹介しながらその想いを語ります。

Radikoでこちらから聴くことができます。
https://radiko.jp/share/?sid=FMJ&t=20210324112002
※聴取期限はOAから1週間以内

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