ブルーは、コマドリの卵の色!? ブランド哲学に多角的に迫る『ティファニー ニューヨーク五番街の秘密』が公開。

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    『ティファニーで朝食を』のキャスティングディレクターらが、撮影秘話を明かしています。

    ティファニーと聞いてすぐに思い浮かぶのは、どんなイメージでしょうか。一世を風靡したオープンハートのネックレスや、ブランドカラーのブルー。レッドカーペットで女優たちの表情をさらに輝かせるゴージャスなネックレス、NFLのトロフィー――。あらゆる角度からの興味や好奇心に応えてくれるドキュメンタリー『ティファニー ニューヨーク五番街の秘密』が公開されます。

    記録的な雪の日でも店を閉めなかったという創業者の逸話から始まるこのドキュメンタリーは、たくさんの“秘密”に次々と迫っていきます。目にした瞬間に心浮き立つあのブルーは、コマドリの卵の色から発想され、微妙な色合いを完成させるための調合は関係者にしか明かされないそう。Tコレクションが人気を呼んでいるティファニー初の女性デザインディレクター、フランチェスカ・アムフィテアトロフの発想の源やデザインのプロセスに迫り、パロマ・ピカソをはじめとする歴代のデザイナーたちの功績も紹介。石留めの職人たちや、ゲイカップルを起用した婚約指輪の広告など、ジュエリーが私たちの元に届くまでのストーリーがテンポよく明かされていきます。

    そして映画との関わりが深いブランドだけに、オードリー・ヘプバーンの『ティファニーで朝食を』や、本店を貸し切ったプロポーズの場面が登場する『メラニーは行く!』などの舞台裏もたっぷり。セレブリティへのインタビューからは、ジュエリーのみならず、ティファニーというブランドがもつ精神性への愛があふれ出してくるかのようです。この映画は、自らの仕事に誇りを持つプロフェショナルな職人たちと、彼らが生み出したジュエリーを手にする人たちのラブストーリーといえるかもしれません。

    監督は『ニューヨーク・バーグドルフ 魔法のデパート』でも夢があふれる場所の舞台裏を映し出したマシュー・ミーレー監督。監督のインタビューによると、製作にあたってティファニーからクリエイティブな部分での注文はまったくなく、豊富なアーカイブにアクセスさせてくれたとのこと。そんなエピソードもまた、時代を超えて愛され続けるティファニーというブランドの懐の深さを伝えているような気がします。(細谷美香)

    ティファニー初の女性デザインディレクター、フランチェスカ・アムフィテアトロフへのインタビューも。

    女優のジェシカ・ビール(中央)がレッドカーペットのためにジュエリーを選ぶ様子にも密着。

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    『ティファニー ニューヨーク五番街の秘密』

    原題/Crazy about Tiffany's
    監督/マシュー・ミーレー
    出演/バズ・ラーマン、レイチェル・ゾー、ジェシカ・ピール、デール・マルコヴィッツ、ロブ・マーシャル、ジョン・マーラほか
    2016年 アメリカ映画 1時間27分 
    配給/ファインフィルムズ
    11月5日より新宿武蔵野館、ヒューマントラストシネマ有楽町、YEBISU GARDEN CINEMAほかにて公開。
    www.finefilms.co.jp/tiffany