“自分らしさ”を信じて、20歳を目前に突如覚醒した髙橋ひかる。

  • 撮影:奥脇孝典(UM)
  • 文:佐野慎悟

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vol.02

“自分らしさ”を信じて、20歳を目前に突如覚醒した髙橋ひかる。

撮影:奥脇孝典(UM) 文:佐野慎悟

透明感あふれる髙橋さんの姿は、19歳のいまもまさに“国民的美少女”。20歳を迎える2021年は、いったいどんな活躍を見せてくれるのだろうか。

2019年の秋から3カ月間の休養を取り、20年の年始に活動を再開した髙橋ひかるさんは、以前とは明らかに様子の違う「バズピ(BUZZ  PEOPLE)」へと姿を変えていた。12歳で「全日本国民的美少女コンテスト」のグランプリを受賞して以降、いわゆる正統派路線で順風満帆の活動を続けてきた彼女だが、復帰すると同時に「深夜ラジオ愛」「ボディビル愛」「オタク気質」などなど、従来のイメージを覆すキャラクターを次々と発動させ、バラエティ番組などで圧倒的な存在感をアピールするようになった。ついに覚醒した令和最強の美少女は、今後いったいどんな活躍を見せてくれるのか。いま彼女の頭の中に渦巻いているいろんなことを、根掘り葉掘り聞き出した。


──今年は女優業以外にも、バラエティ番組や雑誌『Ray』の専属モデルなど、いろんなジャンルのお仕事で活躍されましたね。以前よりも大分元気にパワーアップしている印象ですが、なにか休養中に心境の変化でも?

髙橋:そうですね。休養明けは高校を卒業するタイミングとも重なり、正直これからどうなっていくんだろうって不安に思ったこともありますが、実際に走り出してみると、ちょっと時間を空けたことで気持ちがすっきりして、自分がいまやるべきことに集中できたと思います。以前までは、始まりが“国民的美少女”だったということもあり、清楚で可憐な女の子像を表現しなきゃって、どこか頑張っている自分もいました。でも「周りに求められるキャラクターは無視しちゃってもいんじゃない?」って言ってくれる人もいて、もっとありのままの自分を出す勇気をもらえました。

167cmの長身に、非の打ちどころのない端正な顔立ち。どこからどう切り取っても絵になる髙橋さんだが、趣味はゲームに深夜ラジオと、ギャップしかないそのキャラクターに、ついつい惹き込まれてしまう。

普段はあまりやらないというアプリゲームにも挑戦してみたら、ご多分に漏れずすぐに熱中。本当に楽しんでいる時のこの笑顔が、見ている側も楽しい気持ちにさせてくれる。

──ただ、いきなり自分を出そうとしても、果たしてそれが正解なのか、自分らしさが受け止めてもらえるのか、不安になったりしませんか? 

髙橋逆に、番組などに出させていただいても、思っていることをうまく言葉で伝えられずに黙ってしまったり、いい子ちゃんぶったり、本当はもっと自分を出したいのに出し切れない不甲斐なさに悩んだ時期もありました。だから前までは仕事に対して“義務感”と言ったらネガティブに聞こえるかもしれませんが、純粋に楽しめていたかというと、やっぱり必死に頑張っているという意識のほうが勝っていたかもしれません。でも最近はバラエティ番組やモデルのお仕事で、同じ方々とチームのように長い間ずっと一緒にお仕事をさせていただける環境にも恵まれ、もっと自分らしさを出していいんだなって、自然に思えるようになりました。

まず自分が楽しまなきゃ、絶対に伝わらない。

どんどんゲームにのめり込んでいく髙橋さん。なんだかブツブツと早口でしゃべっています。YouTubeチャンネル「たかしの部屋」でも、まさにマシンガンのように次から次へと話題を変え、視聴者を飽きさせません。

「たかしの部屋」というYouTubeチャンネル名は、80〜90年代のアナログな雰囲気が好みな髙橋さんが、ちょっとダサかわいい感じにしたくて選んだ名前。

──特に準レギュラーを務めている「スクール革命!」などのバラエティ番組で見せる、深夜ラジオやボディビルを偏愛するオタク気質の言動や、難易度の高いフリに対する柔軟な対応力が話題になっています。女優以外の部分でも、大分表現の幅が広がりましたね。

髙橋:元々ものすごくハマり性で、同時にものすごく飽き性でもあるんですが、テレビもラジオも雑誌もネットも、あらゆるメディアが大好きですし、音楽、ファッション、ゲーム、その他釣りとかカメラとかいろんなカルチャーも、次から次へと熱狂してはまた次へと移っていく性格でして、好きなことを話しだしたら、こうやってものすごく早口になってしまって、完全にオタク感丸出しですよね(笑)。 その都度その都度、自分を包み隠すことなく、ありのまま伝えていけたらいいなって思っています。バラエティ番組でのカラミに関しては、私がどうこうっていうよりも以前に、もう完全にメンバーの方々に支えられて成り立っている“団体芸”ですよね。「スクール革命!」は特に、内村さん(ウッチャンナンチャン・内村光良)、ザキヤマさん(アンタッチャブル・山崎弘也)、若林さん(オードリー・若林正恭)、春日さん(オードリー・春日俊彰)がいらっしゃるので、どんなふりが来ても絶対に大丈夫っていう安心感しかないです。

集中して頑張ったものの、慣れないアプリゲームということもありすぐにゲームオーバー。周りが求めるイメージに拘らず、自分らしさに目を向けた髙橋さんは、いつ見ても本当に楽しそうに笑っている。

──確かに(笑)。でもラジオ番組(JFN系列「髙橋ひかる Highway Runway」)やYouTubeチャンネル(たかしの部屋)を始めたりと、ご自身おひとりでも積極的に情報発信していますよね。

髙橋:やっぱり周りの方々からのサポートが手厚いとはいえ、自分らしくふるまったことでいい結果が得られた経験は、自分の中でも大きな自信となりました。だからYouTubeでもガンプラとか、燻製とか、釣りとか、ホラゲーとか、取り上げる内容はマニアックでも、自分が本当に楽しんでいれば、その姿を見て、楽しいと思ってくれる人は必ずいるはず。最近はジャンルを限定したYouTuberチャンネルも人気ですが、私の場合はとにかくいろんなことに熱中するタイプだから、あまり詳しいことはわからなくても、面白そうだなと思ったことにとにかくなんでも挑戦して、それを見た人が興味をもってくれたり、やってみたいと思ってもらえたら嬉しいです。

人間臭い、複雑な役柄にも挑戦していきたい。

いっぷう変わった趣味を多く持つ髙橋さん。彼女たち若い世代が知らないことにも積極的にアプローチしていきたいと語る。ちなみに現在は駄菓子屋とミニ四駆が気になっているらしい。

──ラジオはもともとヘビーリスナーということで、なんとなくイメージはありましたが、YouTube動画の構成や、ゲームプレイもかなりこなれていますよね。やはりどちらも熱中して見たりやり込んできたタイプですか?

髙橋:そうですね。ゲームは昔から家にあったものをプレイしていた感じですが、10年前ぐらいに「アメーバピグ」みたいなアバターコミュニケーション系のブームが来たあたりから、オンラインでつながるPCゲームにハマって行いきた世代なので、YouTubeチャンネルは本当にずっとやりたかったことのひとつです。でも正直扱っているネタがマニアックなので、あまり女子ウケがよくないのが悩みのタネなんですが(笑) あくまで自分が本当に楽しめる自分らしいネタを、これからもどんどん上げていく予定です。

休養前よりも格段に成長した髙橋さんの姿を、ドラマや映画の中で見られる日が待ち遠しい。その時は必ずや、ただの“美少女”ではくくれない、オリジナリティあふれる人間像を表現してくれることだろう。

──2020年は一年を通してかなりお茶の間やSNSを賑わせた印象です。2021年はどんな一年にしたいですか?

髙橋:今年は自分らしさを表に出して、表現の幅を広げられた一年だったと思うので、2021年はもっと演技のお仕事を充実させて、また新しい自分を見せられたらいいなと思っています。人間のきれいな部分もイヤな部分もリアルに切り取るような、複雑な役柄にもどんどん挑戦したいと思っています!

髙橋ひかる
2001年、滋賀県生まれ。14年に応募総数81031人の中から「第14回全日本国民的美少女コンテスト」にてグランプリを受賞。16年に映画『人生の約束』 で映画初出演にしてヒロインに抜擢される。CM、ドラマ、バラエティ、ファッション誌『Ray』の専属モデルなど、幅広いジャンルで活躍中。