イケメン過ぎる(?)絵描きに、大きなカンバスを与えたら。

  • 写真:廣瀬順二
  • 文:佐野慎悟

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イケメン過ぎる(?)絵描きに、大きなカンバスを与えたら。

写真:廣瀬順二 文:佐野慎悟

vol.27
大社カリン
アーティスト/モデル

猫みたいに窓際に腰掛けてくつろぐカリンさん。ソファのほうが断然楽なのに、なぜかそういうところに座りたくなる感じ、わかります。

真っ白のTシャツに、真っ白のパンツ。ボーイッシュな雰囲気漂う今回のバズ美女は、アーティスト兼モデルの大社(おおこそ)カリンさんです。カリンさんといえばファッション誌をはじめ、広告やファッションショーなどでも見かける機会の多い人気モデルですが、絵画作品を手がけるアーティストとしても意欲的に活動されています。最近は、パンツにこびりついた絵の具を見てもわかる通り、12月に予定している個展に向けての制作活動の真っ最中。「邪魔をしないように……」とは思いつつも、パンツの絵の具よろしくべったりと密着しながら、アートが生まれる過程をしかと拝見させていただきました。

普段は自宅の一角をアトリエにしているカリンさんですが、この日はこちらが用意したスタジオで、特大のカンバスに作品を描いて欲しいという無理難題なリクエスト。いつもの環境とは違うところで、しかも見知らぬ人たちに注目されながら、さらにはカメラを向けられ、パチパチと写真を撮られながらですから、相当やりにくかったことは間違いありません。しかしカリンさんは嫌な顔ひとつ見せずに、真剣な創作風景の様子を余すところなく披露してくれました。去年の12月に原宿で開催した個展では、たったの2日間の開催で280人の来場者を記録したそうですが、今年の個展は果たしてどのような内容になるのでしょうか? 最新作の制作現場から、少しだけその雰囲気を覗き見してみましょう。

まずは写真集や雑誌をパラパラとめくりながら、インスピレーションをゆっくりと膨らませていきます。

カラフルな絵の具や筆をたくさん持参した代わりに、自身はノーメイクで現れたカリンさん。彼女のインスタには「ハンサム!」、「イケメンすぎる!」とのコメントも多いですが、たかに。飾りっ気のないこざっぱりとした雰囲気に憧れる、同性のファンも多いようです。

カリンさんが持ち込んだアクリルガッシュなどの画材。彼女の雰囲気通り、使う絵の具も落ち着いた優しいトーンのものが多いようです。

早速大きなキャンバスに薄い色味から塗り込んでいくカリンさん。絵の具をたっぷり使って、カンバスの上に繊細なテクスチャーを乗せていきます。

次にブルー系の絵の具を混ぜ、パレットの上で複雑な色みをつくったカリンさん。「カンバスの上に描いた作品も好きですが、無意識に色が重ねられたパレットを眺めているだけでも、とっても幸せな気持ちになります」

迷うことなく、どんどん作品に手を加えていくカリンさん。左の壁に並んでいるのは、先に仕上がっている作品の数々。彼女の作品は、アーティストとしてのインスタアカウント(@karin_ookoso)でも見ることができます。

カリンさんは高校から美術大学の付属高校に進学し、そのまま大学も卒業。美術系の学校を目指したきっかけは、中学校の美術の先生の影響が強かったと言います。

かなり集中して作業を進めるカリンさんの姿を、スタッフ一同固唾を飲んで見守っていると、「どっちがいいかな?」と、次に使うべき色を聞いてきたカリンさん。ドキッとするのと、気軽に答えられないのでそういうのはやめてください。

一通り絵の具を使い終わると、今度は一旦筆を置き、代わりにシャープペンを手にしました。絵の具だけでなく、ボールペン、刺繍、樹脂など、あらゆるものが画材になります。

シャープペンでは力強い絵の具の絵柄の隙間に、繊細で複雑な絵柄を描き込んでいきます。こうやって何度も色を代え、筆を代え、膨大な手数を費やしながら、一枚の作品を描き上げていきます。

「今日の作業はここまで!」と、筆をおいたカリンさん。まだまだ完成に向けて手を加えていくそうですが、第一段階は終了。完成が楽しみではありますが、それは12月に開催する個展をお楽しみに。個展の詳しい情報はカリンさんのインスタやツイッターでも発表される予定なので、お見逃しなく!

Q1
普段どのようにSNSを活用していますか?
A
なにに興味があるか、なににどんな風に思うのかを伝えたりする自分の意思表示の場。
Q2
好きな食べ物は?
A
和食
Q3
よく行くお店は?
A
うーん、あまりそういうのは無いです。
Q4
趣味は?
A
ゲーム、カラオケ
Q5
好きな映画は?
A
一番悩ましい質問……。本当に沢山あります。ジャンルによっても分かれるし。でも7回、8回観てるのは、クリストファー・ノーラン監督の『インセプション』。自分の見る夢に疑いを持った事がなくて、当時高校生だった私は作品の思考の幅に震えました(笑)。
Q6
好きな音楽は?
A
とても幅広く聞きます。最近痺れたのはフジロックで生で聴いたハイエイタス・カイヨーテ。
Q7
理想的な休日の過ごし方は?
A
森や川、海などに触れて一日中遊ぶ。もしくはお家でずーーーっとゲームをする。
Q8
好きな男性、もしくは女性のタイプは?
A
素直で無邪気な人が好きです。それで一緒に笑えてたらもうオッケーです!
Q9
愛用しているカメラの機種は?
A
撮りません!
Q10
最も尊敬する人は?
A
まずは絶対的に両親。それと兄妹たち。 家族みんなです。 尊敬というか慈愛に近いのかもしれない。
Q11
自分らしくいるためのモットーは?
A
出会いは心の背丈。
Q12
逆境に陥った時にはどうやって立ち直る?
A
紙などに頭の中のものを全て書き出して整理して具体的な突破口を見つけて納得する事。
Q13
仕事で得た最大の教訓は?
A
自分のさじ加減で物事を判断しない事。当たり前のこととされているけれど、実はみな出来ていないと思っています。他者との繋がりは多種多様で、私にとっては対絵画、対絵を見てくれる人などもその繋がりに含まれます。絵の見方や絵に使われている色へのたくさんの感じ方があるのと同じように、物事や話題を自分の物差しだけで判断したりするのは絶対にしたくないなと思います。聞かれたり相談されたら答えますけど、気付いたら無意識にそれ紛いのことやってしまってることも多いです(笑)。
Q14
世の中にもっと増えたらいいのにと思うものは?
A
ギャラリー。絵画の市場価値。
Q15
いままでSNSで反響が大きかった投稿は?
A
顔がよく見えて盛れている、画質が綺麗な写真。だと思います(笑)。皆の“見たいもの”に応えるかどうかは難しいところです。
Q16
SNSでなにか失敗をしたことは? そこから得た教訓は?
A
これも仕事での教訓と似ていますが、あまりにも独りよがり過ぎた意見の投稿をしてしまって、それが共鳴して他者の色んな独りよがりの意見が入ってきてしまったこと。当時の私は視野が狭く心がギリギリでそういう投稿をしたのに更なる要因を呼び出してしまった。良いものも悪いものも呼応すると思います。