Vol.16 特別な体験をもたらす、大がかりなインスタ...
写真・文:錦 多希子

定期的に海外のひとつの出版社に焦点を当て、その出版社の本だけを取り扱うショップ「POST」のスタッフが、いま気になる一冊をピックアップ。今回、錦 多希子さんが紹介してくれるのは、オラファー・エリアソンによる壮大なインスタレーション作品を収めた書籍です。ページをめくると、臨場感あふれる現場の雰囲気を味わうことができます。

Vol.16 特別な体験をもたらす、大がかりなインスタレーションを収録。

Riverbed: Olafur Eliasson at Louisiana / Olafur Eliasson / Louisiana Museum of Modern Art
リバーベッド: オラファー・エリアソン アト ルイジアナ / オラファー・エリアソン / ルイジアナ近代美術館

オラファー・エリアソン(1967年デンマーク・コペンハーゲン生まれ)は、日常的に触れている「光」や「色」といった、普段は存在を特別意識しないようなものをあえて主題にすることで、視覚を通じて体感させるような作品群を発表しています。日本では金沢21世紀美術館やハラ ミュージアム アークといった美術館の屋外設置作品などで触れることができます。2014年にコペンハーゲン郊外にあるルイジアナ近代美術館で、同館では初となる彼の個展が開催されました。自身の出生地・コペンハーゲンからも近いことから、幼少期には画家であった父に連れられて度々訪れていたこの美術館は、当時の彼にとって日常生活の範疇を超えた体験をもたらし夢を抱かせてくれるような、ひときわ特別な場所だったそう。個人的にも深い思い入れのある美術館で、作家として探索の機会を与えてもらえたことをとても光栄に思っていたようです。


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