話題のロシア戦争映画、『オーガストウォーズ』を観てみよう。

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    ロシアの戦争映画、と聞いてパッとイメージを浮かべられる人は、よっぽどの映画通かもしれません。

    『オーガストウォーズ』はロシア軍全面協力のもと、2008年8月8日に南オセチアで勃発した「ロシア・グルジア紛争」をベースにしながら描いた作品で、メドベージェフ首相が賛辞を送るわ、ロシア国民は興奮するわの注目の1本。スホーイ25戦闘機、ソビエト連邦時代に開発された戦車T-72、Mi-24ハインド攻撃ヘリコプターなどのロシア軍兵器がずらりと登場し、銃撃戦では、AK-74M、PK機関銃、ドラグノフ狙撃銃などのロシア製銃器がふんだんに登場。

    そうは言っても、ただただドンパチやるのではなく、物語の根本には、親子の愛情が描かれているから、鑑賞後はなんとも心温かな気持ちになるのです。
    父親のもとにあずけられていた息子が突如勃発した紛争に巻き込まれ、家族を失い、爆撃の中ひとり恐怖に震える。
    そんな息子を救いだすために、若きシングルマザーが遠路はるばる戦地へとびこみ、弾丸乱れる過酷な戦地を突き進んでゆくさまは痛快!頑張れ!と応援したくなります。
    母子家庭で育つ息子の心の不安定さ、戦場でおびえる息子の恐怖感と家族への信頼感などが、CGのロボットに代弁されるというのもロシアっぽい(?)新鮮な表現。
    また、ベースとなる「ロシア・グルジア紛争」の描かれ方が、常に戦争と向き合っているロシアという国の実情を、生々しく伝えてくれるのも、貴重。2時間12分とやや長めですが新鮮度は高く、楽しみどころが多い一作をぜひ。(Pen編集部)

    『オーガストウォーズ』
    監督、脚本、制作:ジャニック・ファイジエフ
    出演:スベトラーナ・イヴァーノヴナ、エゴール・ベロエフ、
    マクシム・マトヴェーエフほか
    2011年 ロシア映画 2時間12分
    配給:ブロードメディア・スタジオ
    8月10日より渋谷TOEIほか全国順次ロードショー