赤塚不二夫生誕80 年を記念した公開講座、赤塚イズムを学べる「バカ田大学」が東大で開講中。

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    赤塚不二夫生誕80 年製作実行委員会提供

    バカボンのパパが卒業した名門校「バカ田大学」の公開講座が、2015 年12 月より期間限定で、東京大学本郷キャンパスにて開講されています。「これでいいのだ」というバカボンのパパの言葉に集約される「赤塚イズム」。「バカ田大学」の講師陣には、その意思を継ぎ各々の分野で「赤塚イズム」を体現している著名人−−−会田誠(アーティスト)、坂田明(サックス奏者)、泉麻人(コラムニスト)、喰始(舞台演出家)、茂木健一郎(脳科学者)などの面々が並びます。

    赤塚不二夫の描く「バカ」の形は、漫画のみならず、周囲の才能と出会い広がっていった人脈、その中で創りだした映像作品なども含め多岐にわたります。「バカ田大学」では、現在活躍する各界の専門家たちが、独特の切り口で一つ一つの「バカ」を紐解いていきます。

    今回は、劇作家の宮沢章夫さんの講義「道化としての赤塚不二夫、あるいは笑いの系譜Part1&2」に出席しました。〈都の西北ワセダの隣〜〉の校歌が頭をよぎる中で、東京大学の本郷キャンパスに設けられた「バカ田大学」に足を踏み入れるのは不思議な緊張感を伴います。

    講義のPart1 では「道化」の定義と、それに対応する赤塚不二夫漫画と映像作品がどのような時代背景の中で作られていたのかを詳しく紹介。Part2 では、過去と現在の俳優・コメディアン・演劇作品などに現れる様々な「道化」をタイプ別に分類し、笑いの系譜を辿ることで、赤塚イズムの根底がどこにあるのかを示す講義となっていました。

    アカデミックな空間で、『天才バカボン』『おそ松くん』の漫画がスクリーンに大きく映しだされると、赤塚作品のキャラクターが教室で踊っているような錯覚に陥ります。テレビで丸刈りにされる赤塚氏の映像では、他のことなどどうでもよくなってしまうような脱力感に見舞われつつ、宮沢章夫さんのユニークな講義はテンポよく続きます。この感覚はなんなのだ? いや、これでいいのだ!

    赤塚イズムを体感できる貴重な講義は、3月までまだまだ開講中。生きづらい今の時代だからこそ、バカ田大学を受講してみては?(Pen 編集部)

    東京大学の「赤門」をくぐり抜け、キャンパス内を歩くこと約10 分、山上会館へたどり着く。バカ田大生の気分と東大生の気分が同時に味わえる不思議な心地よさ。
    赤塚不二夫生誕80 年製作実行委員会提供

    1960 年代後半から1970 年代にかけて、赤塚不二夫が『天才バカボン』を通して描いたさまざまな試みが、わかりやすく解説されます。
    赤塚不二夫生誕80 年製作実行委員会提供

    「くだらなさの中に知的な操作があると思うんです」。赤塚不二夫の映像作品などの試みについて、新旧のコメディアンや演劇を紹介しつつ分析していく宮沢章夫さん。
    赤塚不二夫生誕80 年製作実行委員会提供

    次世代メディアクリエイター養成講座
    赤塚不二夫生誕80 年生誕記念「バカ田大学」

    開催日程:~2016年3月
    開催場所:東京大学本郷キャンパス山上会館
    東京都文京区本郷7-3-1
    受講料:1コマ¥5,500(前売り/オリジナルノート付き)
    主催:赤塚不二夫生誕80年記念文化研究会
    制作:赤塚不二夫生誕80年製作実行委員会/ARK
    制作協力:フジオ・プロダクション/tadpole - lab
    問い合わせ先:ARK
    TEL:03-3311-7500(9 時~18 時)
    http://tadpole-lab.com/fujio80/bakadadaigaku/

    ■講師陣( 五十音順)
    会田誠
    浅葉克己
    安齋肇
    泉麻人
    河口洋一郎
    久住昌之
    鴻上尚史
    坂田明
    喰始
    三上寛 & 宇川直宏
    みうらじゅん
    宮沢章夫
    茂木健一郎
    養老孟司