人類と木との関係を壮大に描く、リチャード・パワーズによるピュリツァー賞受賞作。

  • 文:今泉愛子

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『オーバーストーリー』 リチャード・パワーズ 著 木原善彦 訳 新潮社 ¥4,730(税込)

【Penが選んだ、今月の読むべき1冊】

栗の木を3代にわたって写真に撮り続けてきた一族、幼い頃に木から落ちて車椅子の生活を送る少年、木とわかりあえる少女ら、生まれた場所も年代も違う人々と木との関係を描いたピュリツァー賞受賞作。登場人物は、それぞれのかたちで木と関係をもつ。樹木の研究者になった者もいれば、自然保護活動家になった者もいる。人類よりはるかに長い歴史をもつ木は、ときに人を導き寄り添ってきたが、その関係は今後も続くのか。緻密なストーリーと雄大なスケールで語りかける。


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