オランダの象徴、「黄金時代」は使用禁止⁉

  • 文:ユイ キヨミ

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AMSTERDAMアムステルダム

オランダの象徴、「黄金時代」は使用禁止⁉

文:ユイ キヨミ

同博物館の常設展よりG・フリンクの集団肖像画(1648年)。常設展名「黄金時代のオランダ人」は「17世紀の集団肖像画」に。photo: Amsterdam Museum

性別や人種などで偏見や差別を助長しないよう、中立的な表現を用いる「ポリティカル・コレクトネス」。この街の歴史を伝えるアムステルダム博物館でも、「黄金時代」の使用を止める宣言をした。
オランダで「黄金時代」といえば、文化、芸術、科学、貿易が栄華を極めた大航海時代の17世紀を指す。だがそれは裏を返せば、奴隷貿易や植民地支配の時代でもある。「この時代を“黄金”と呼ぶのは、多くのオランダ人の心情を無視する上、時代描写として偏りすぎる」というのが同博物館の声明だ。一方、フェルメールなど17世紀の作品を多数所蔵するアムステルダム国立美術館では変える予定はないという。世論も賛否両論で、その行方に関心が集まる。

Amsterdam Museum

最寄り駅:ROKIN
TEL:020-5231-822
開館時間:10時~17時 
料金:一般15ユーロ
無休
www.amsterdammuseum.nl