なぜ人々は無表情なのか? 東欧の気鋭写真家、マーリア・シュヴァルボヴァーの2作目写真集。

  • 文:今泉愛子

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『FUTURO RETRO』 マーリア・シュヴァルボヴァー 著 青幻舎 ¥8,580(税込)

【Penが選んだ、今月の読むべき1冊】

スロヴァキア生まれの女性写真家による、未来と過去の交錯をテーマにした2作目の写真集。『フォーブス』誌で次世代を担う「30歳未満の30人」に選ばれ注目を集める彼女の作品の特徴は、あらゆる人物に表情がない点。精肉店で撮影した作品は、店頭に並ぶ肉が少ないことや、店を手伝う少女が共産主義少年団の制服を着ていることから、社会主義時代を連想させる。人物や道具を周到に配置し無駄なものを一切含まない構図をつくり上げ、近未来的な気配を漂わせる演出が見事だ。



歌詞387篇の新訳が示す、天才ストーリーテラーとしてのボブ・ディラン

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人間はなんのために食べるのか、“欧州の知”が問い直す。