34カ国が参加する「世界で最も美しい本」賞、今年の大賞は?

  • 文:ユイ キヨミ

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AMSTERDAMアムステルダム

34カ国が参加する「世界で最も美しい本」賞、今年の大賞は?

文:ユイ キヨミ

全600ページになる『アムステルダム・スタッフ』。装幀デザインは出版社の主宰者が担当。© Van Zoetendaal Publishers

XXXはアムスの紋章。出版社のウェブwww.vanzoetendaal.com。225ユーロ© Van Zoetendaal Publishers

ドイツ・エディトリアルデザイン財団が毎年開催する「世界で最も美しい本」賞は、造本装幀コンクールの世界的権威。34カ国から600点余りの応募が集まった今年は、アムステルダムのファン・ズテンダール出版による『アムステルダム・スタッフ』が見事大賞に輝いた。昨年この街に開通した地下鉄の建設中に発掘された品々を写真に収めたカタログで、氷河期の化石から中世の生活用品、そして携帯電話など現代の「落とし物」まで、カテゴリー別に紹介。その数は約1万3000点におよぶ。「考古学者が発掘物を並べて検証する調査現場を彷彿とさせる。各アイテムの特徴を余すところなく見せる、“宝殿”のよう」だと審査員が評した、一見の価値ある本だ。