世紀を超えてよみがえる「令和京都博覧会」。2回目の特別ゲストは野村萬斎、井上八千代、田中彩子ら。

  • 文:Pen編集部

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祇園甲部歌舞練場内「八坂倶楽部」。登録有形文化財。木造2階建て、入母屋造・瓦葺の大屋根を架けた建物。今回は特別に庭園に舞台を設置。公演終了後には改修工事が行われるため現状を知る貴重な機会。

明治維新によって江戸が東京へ変わり、日本の中心が京都から東京に遷都した2年後の1871(明治4)年。京都西本願寺を会場に「京都博覧会」が開催された。1万人以上が訪れる大盛況のイベントで、1928(昭和3)年までほぼ毎年、計56回開催し、京都の歴史に名を遺すイベントとしていまも語り継がれている。

そんな京都博覧会を企画し実行したのは三井財閥の三井八郎衛門を筆頭に、書画用品・香の老舗専門店「鳩居堂」の主人ら京都に縁のある有志たち。遷都によって意気消沈した京都の人々を明るく前向きにするため、そうそうたる面々がこの博覧会のために尽力した。その開催から1世紀以上。世界的に流行する新型コロナウイルスによって東京オリンピックの開催も延期され、世界中が暗く沈む中、再び京都の有志たちが動きはじめた。

日本が誇る文化芸術の力によって、沈んだムードを打ち消したいと集結したのは華道家元や能楽師、料理人や放送作家など京都の文化を愛してやまない人々。「令和京都博覧会」と銘打ちして2020年の10月に青蓮院門跡の宸殿を舞台に、いけばなや狂言、能を披露。

続く2回目の令和京都博覧会は、来月4月5日から6日間で開催を予定。2回目は狂言師の野村萬斎、京舞(きょうまい)の井上八千代、そしてソプラノ歌手の田中彩子をゲストに迎え(公演日によって異なる)、祇園甲部歌舞練場内の「八坂倶楽部」で開催をされる。会場の「八坂倶楽部」は登録文化財。この催しの後には改装が決まっているため、現在の姿を見るのは最後の機会の可能性がある。しかも八坂倶楽部は特別な催しの時に贔屓筋しか入ることのできない特別な場所。広い舞台でしっかりのコロナ対策をした上で究極の京文化を愉しめる絶好のチャンス。新しい京文化が花開く、まさにきっかけになるはずだ。

八坂倶楽部の2階は、広大な132 畳敷の客席と舞台からなる広壮な座敷。今回の公演において雨天の場合はこの舞台を予定。

特別ゲストは狂言師の野村萬斎、京舞の人間国宝でもある井上八千代、そしてソプラノ歌手の田中彩子。日程によってゲストは異なるため要注意を。

『第二回令和京都博覧会』
開催期間:4/5~6、4/8~11(全6日間)
会場:祇園甲部歌舞練場内「八坂倶楽部」
TEL:075-256-7882(令和京都博覧会実行委員会) 
公演時間:14時30分開演、18時開演(1日2公演、30分前より受付) 
休演日:4/7(水)
料金:一般¥25,000(税込)
※全席指定
https://www.reiwakyotoexhibition.com/

※公演休止や公演会期の変更、また入場制限などが行われる場合があります。事前にお確かめください。