ヴァンゼー駅のタイル壁画が人気のわけは?
BERLIN ベルリン

ヴァンゼー駅のタイル壁画が人気のわけは?

文:河内秀子

昔ながらの海水浴場の風景を描いた、モザイクタイルの壁面。プラットホームへと続く40mの通路の左右に設置されており、10㎝角のタイルが約2万枚使われている。photograph by Gianni Plescia

ベルリン市内の駅を歩いていると目に付くのが、色鮮やかなモザイクタイルだ。特徴的なデザインの駅は人気の撮影スポットとなっている。特に昨年末、タイル壁画を一新したヴァンゼー(ヴァン湖)駅の評判がいい。ヴァンゼーは、ベルリン中央駅からSバーンで25分ほどの距離にあり、夏場は避暑地として賑わうが、ナチスがユダヤ人の大量虐殺を計画した「ヴァンゼー会議」の開催地でもある。『ザ・ニューヨーカー』誌やグーグルのトップページも手がけるイラストレーター、クリストフ・ニーマンは、この“陽”と“悲劇”、真逆の世界をピクセルアートでポップに表現してみせた。この好評を受け、ドイツ鉄道はさらに多くの駅をアーティストに頼む予定だとか。

ヴァンゼー駅のタイル壁画が人気のわけは?