6回目のビエンナーレは、より社会派に。

  • 文:葛西玲子

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SINGAPOREシンガポール

6回目のビエンナーレは、より社会派に。

文: 葛西玲子

ビエンナーレの開幕時のパフォーマンス風景。 photos: Singapore Art Museum

会場のひとつ、旧英軍施設跡地を改修したギルマンバラックス内の展示風景。ナショナル・ギャラリーのみ有料(25ドル)で、その他の会場は無料。3/22まで開催。 photos: Singapore Art Museum

今回で6回目となる現代アートの祭典、シンガポール・ビエンナーレが開催中だ。「Every Step in The Right Direction」(正しい方向へ一歩ずつ)をテーマに、アーティスティック・ディレクター、パトリック・フロレスと6名のキュレーターが選定した77名の作品を、複数の会場を回遊しながら観覧できる。東南アジアのアートに重点を置き、キュレーター各自の視点で、コミュニティ、自然破壊、国境、グローバリゼーション、ポスト・コロニアルといった現代社会が抱えるさまざまな問題に向き合って構成された展示は見応え十分。「世の中を変えていくのは私たち一人ひとりの意識だ」というメッセージが伝わる。アートの底力を感じられる祭典だ。